かつて味わえなかったこの体験と感動を
明日のA&Vライフにつなごう!
最終日も盛況のまま、A&Vフェスタ2008はフィナーレへ!
 A&Vフェスタ2008が、おかげさまで盛況のうちにフィナーレを迎えました。「たっぷり視る!じっくり聴く!」をキャッチフレーズに、音と映像の新世界を思う存分味わっていただこうというコンセプトで、装いも新に実施された今年のフェスタはいかがだったでしょうか?これまでのフェスタでは味わうことのできなかった新しい体験や感動を通して、明日からのA&Vライフがさらに充実したものになることを願ってやみません。最終日の今日はイベントセミナーのほか、4階展示ブースの出展社のようすをレポートします。

<イベントセミナー>

サラウンドサウンドテーマエリア

●AVアンプやスピーカーのセッティングなどの疑問をアドバイス!
サラウンドサウンドシステム構築のポイント

●クラシックオーケストラのサラウンドサウンド比較試聴
入交英雄/沢口真生

 サラウンドサウンドを本格的にやろうとすると、さまざまな壁にぶつかります。機器の選択やスピーカーの配置やサウンドチューニングなど、そのそも何を基準にして、どこから手をつければいいのか途方にくれている方も多いのではないでしょうか?3日間に渡ってさまざまな角度からサラウンドサウンドのノウハウをご紹介したこのイベントは、そんな悩みを持つ方々に、まさに最適なイベントでした。録音時にどのようにマイクをセッティングすると、どのような音場になるのか、またエンジニアの考え方やサウンドコンセプトによって同じ音源でも仕上がりがどう違ってくるのかなど、普段なかなか体験できない話題も交えて、わかりやすくサラウンドサウンドの疑問の答えを知ることができました。
MBS毎日放送の入交英雄氏によるオーケストラのサラウンドサウンド比較試聴
講演をする入交英雄氏
パイオニア小谷野真司氏によるAVアンプやスピーカーのセッティングノウハウの紹介

■出展社セミナー

1bitオーディオコンソーシアム
 早稲田大学やシャープ、コルグなのメーカーが参加して運営されている「1bitオーディオコンソーシアム」のセミナーイベント。音と映像がデジタル化され、高品位になっていく次代には、データの容量が肥大化し、高効率な伝送が課題になります。そんな中で注目を浴びているのが1ビットデジタル信号技術。このセミナーでは、現在の技術や具体的な製品が紹介されるほか、1ビット音作品賞に募集頂いた優秀作品と1ビット音源から生まれた市販ソフトの紹介がされるなど、1bitオーディオ技術を身近に感じさせてくれたイベントでした。
5.1chシステムでデモを展開
1ビット音作品賞に募集頂いた優秀作品
コルグの大石耕史氏による半導体レコーダーについてのセミナー

■自作オーディオ自慢大会
受賞者のみなさん

 本日は、自作オーディオ自慢大会の優秀作品に選定された機器の試聴会、および表彰状授与式が行われました。選考機器の選定には、来場のみなさんの投票結果に基づいて、日本オーディオ協会A&Vフェスタ事務局長小川敏郎ほか、以下の3名のオーディオのエキスパートが参加して厳選なる審査の結果、決定しました。審査員を代表して挨拶したフォステクス販売促進担当の佐藤晴重氏によると、今回の審査は接戦で非常に最終選考を決めがたい状態であったそうです。

<審査員>
 
フォステクス 販売促進担当 佐藤晴重氏
ブリッジオーディオラボ代表 大橋文男氏
マインズカンパニー代表 坂本範雄氏

3リットルのビール缶をアンプに!
ベスト人気アンプ賞
「PCL86超三極管接続ビール管アンプ」
東京都 安江辰彦さん
<受賞コメント>
回路的には「PCL86超三極管接続」ということで音より作りの方が苦労しました。外観は4本の真空管しか見えていませんが、中には合計18個のトランジスターとFETが使われています。そのために3枚の基盤も新しく組み上げました。あと、意外と3リッターのビール缶を入手するのが大変だったんです。いま、あまりないんですよね。それをネットで検索して置いてあるお店を見つけて「冷えてないやつをください」って言ったんです。お店の人、「ヘンな人が来たなぁ」って顔してましたね…。

石を使ったユニークなデザインのスピーカー
ベスト人気賞スピーカー部門
「優しい音色 ころキュ〜」
熊本県 千葉順次さん
<受賞コメント>
まさか受賞できるとは思っていなかったので、すごくうれしい。このスピーカーは、半分見た目の部分から発想したものですが、音としても魅力のあるものにしたいと思って作りました。

特注で作ったトランスを使用したこだわりアンプ!
ベスト審査員賞アンプ部門
「VT-25 PPパワーアンプ」
埼玉県 松本亘生さん
代わってコメントするフォステクス佐藤晴重氏
<受賞コメント>
松本さんは残念ながら、仕事の都合で授賞式に参加できませんでした。
代わって審査員のフォステクス佐藤春重氏がコメント。
「今回は非常に選別が難しい中で、バランス感を重視して決めました。オーディオはいろいろと好みがありますが、10人聴いてほぼすべてが納得できるバランス感のある製品ということで選んだものです」

中学3年生、驚きの最年少受賞!
ベスト審査員賞スピーカー部門
「薄型テレビ対応のハイスピードスピーカー」
東京都 米田 優さん
<受賞コメント>
学校の科学の授業を終えて駆けつけました。受賞できてうれしいです。高能率で明るい音がする僕の大好きなフォステクスのFEスピーカー(ユニット)を使って、安くてハイスピードな音のするスピーカーが作りたかったんです。オーディオってここにある機械だけじゃなくて、マイクに音が入ってCDになるまでの工程も重要だと思ってるんですが、そういった部分も大切に考えて行きたいなって思ってます。

鮮度の高い音が魅力のスピーカー
ベスト審査員賞スピーカー部門
「黒鉄II」
東京都 田中博志さん
<受賞コメント>
私は、オーディオサークル「ミューズの方舟」に入っていまして、2年前のコンテストに一度このスピーカーを出品したことがあります。その後、新しい技術や考える部分などもあって改良したものが今回の「黒鉄II」です。受賞できて大変うれしく思っております。

<親子工作教室>

●スピーカー工作教室
 本日のスピーカー工作教室は、平日ということもあって親子連れよりもカップルやお1人での参加が目立ちました。非常に熱心な工作ファンが参加し、丁寧に作り上げているようすでした。
工作に参加した皆さん
 
 

<4階>

ソニー(419・418)
 4階ソニーのブースは、近日発売になるリニアPCMレコーダー「PCM-50」のデモンストレーションを中心に行う部屋と、マルチチャンネルシアターを視聴できる部屋の2部屋構成。「PCM-50」は、音源にあわせて集音範囲を変えられる機能の付いたリニアPCMレコーダーで、そのメカニックなデザインの魅力と高い性能で大変話題になっています。ブースでは、アコースティックギターとバイオリンの生演奏をPCM-50で録音し、オーディオ装置で再生するという録音・試聴会を実施。そして、来場されたお客様にも実機をお渡しして、録音と再生を楽しんで頂くという試みも行われました。録音された音は実に生々しく、いまその場で演奏された音をリアルに再現していました。
  「Sony High Quakity Theater Room」と名づけられたもうひと部屋の方では、ソニーのアナログマルチチャンネルインテグレーテッドアンプ「TA-DA5300ES」、スーパーオーディオCD/CDトランスポート・プレーヤー「SCD-DR1」、ブラビアビデオプロジェクター「VPL-W200」を使った迫力のホームシアターを実演。最新のホームシアター機器の魅力をじっくりと堪能できました。
生演奏の「PCM-50」への録音を体験
 
新しい無指向性スピーカーも参考出品
Sony High Quakity Theater Room
※デモ中は撮影不可のため準備中の写真です

主催者テーマエリア(417)

デジタルオーディオプレーヤーテーマエリア
 デジタルオーディオプレーヤーは、ヘッドフォンで音を楽しむものですが、自宅ではやはりスピーカーで音楽を楽しみたいものです。「デジタルオーディオプレーヤーテーマエリア」では、アップル社の人気のiPodに収められた音楽をスピーカーにつないで音楽を楽しむ提案が行われました。スタイリッシュなデザイン性と操作性に優れたiPodのコンセプトを受けて、マクセルやJBLなどのブランドによる、ファッショナブルなデザインのスピーカーが数多く出品されました。
 また、一方で高品位なヘッドフォンを用いることでモバイルオーディオ環境でも音質にこだわる提案を実施。JBLやオーディオテクニカの高品位ヘッドフォンを試聴して、その違いを体験できるコーナーも設置しました。そして、iPodをプレーヤーにして高級オーディオ機器で再生するという試みも行われ、来場者の興味を引いていました。
ユニークなデザインのJBL製デジタルオーディオプレーヤー用スピーカー iPodをハイエンドオーディオシステムに接続して試聴

共同ブース(416)

サウンドデザイン
 サウンドデザインでは、高性能なデジタルアンプを安価により多くのオーディオ・ファンに届けたいという思いで生み出されたオリジナルフルデジタルアンプ「SD05」をプレゼンテーション。この製品は受注販売によってみなさんにお届けしているそうです。いつもは、那須高原の自社リスニングルームでこのデジタルアンプの音を体験できるそうです。
サウンドデザインのブースのようす。スピーカーにはPSDの「T3」を使用
サウンドデザインのデジタルアンプ

ニッシャ技研
 「趣味のオーディオである音楽の本質にこだわった製品提供を目指している」というニッシャ技研。今年は、4月発売予定のハイスピードモノラルパワーアンプ「YN-2002EXP」を引っさげてこのイベントに参加しました。その特徴は、最終段回路にも超高域まで管理したハイスピードの「安定化電源」を搭載したところにあるそうです。その成果は、驚くほどの音の鮮度に現れ、生々しいエネルギー感とライブ感を生み出しているそうです。
機器が立体的に組まれたニッシャ技研のブース
新製品の「YN-2002EXP」

ブリッジ・オーディオラボ
 海外ではすでにラスベガスのインターナショナルCESなどで絶大な評価を得ている超弩級アンプを開発するブリッジ・オーディオラボ。生き生きとした解放感、怒涛のダイナミズム、そして大パワー、何よりも重量級の堅牢なその姿には圧倒されます。みなさんは、ブースでそのハイクオリティなサウンドを体感されましたでしょうか?
ブリッジ・オーディオラボのブース
堅牢で重量級のアンプ製品群

トライオード
 赤いボディが印象的な真空管アンプシリーズを発売するトライオード。高品位な仕上げと真空管らしい音を大切にしながらも、比較的低価格で製品が供給されており、多くのオーディオファンに絶大な人気を得ています。ブースでの試聴会は入りきれないほどの盛況。そのほか販売代理店として取り扱っているケーブルメーカーの「ZONOTONE」、イギリスの老舗スピーカーメーカー「スペンドール」の製品も大きな注目を集めていました。
トライオードのブース。大きなスピーカーがスペンドール
トライオードの真空管アンプ
ZONOTONEのケーブル

フォアン
 今年もさまざまなスピーカー・システムが各社から新たに提案されましたが。その中でもひときわ個性を放っていた製品がこのフォアンの音楽再奏器“TENAM”と“TALL BOY”でした。スピーカーといわず、敢えて「音楽再奏器」という理由は、この製品はスピーカーではなく「楽器」だという主張によるもの。ボディは竹素材でできており、ボディ部が楽器の共鳴ボックスのようななりっぷりを見せます。その目の覚めるようなスカッとした音は、ブースで大きな注目を集めていました。
フォアンのブース。色とりどりのスピーカーが並んでいます
フォアンの音楽再奏器“TENAM”と“TALL BOY"

サウンドマイスター
 サウンドマイスターは、ビンテージにコンセプトを置いた回路設計と音質にこだわって造り上げたリアル・ビンテージアンプReviaシリーズで試聴会を開催しました。聴いて楽しむだけでなく、真空管のほのかな明りが美しい製品です。その音はビンテージといいながらも古臭さが残る音ではなく、古きよき時代を髣髴させるサウンドで、まるでビンテージ楽器のような熟成した枯れた味わいのあるものでした。
サウンドマイスターのブース
 
ビンテージにコンセプトを置いて作られた製品群

デジタルドメイン/花田スピーカー研究所(412)
 スピーカーのボイスコイルをそのまま振動版にした構造を持つ新しい発送のスピーカーを出品。ボイスコイルをスパイラル状に巻いた構造で、通常のスピーカーに必要なダンパー部分がなく、その分、周波数特性が良くなり、歪みも減少するそうです。実際の音は、実に直接的な響きで、間に何も挟まずに音がポーンとストレートに届く感じがします。
ボイスコイルを振動版にした試作機によるデモのようす
ボイスコイルをスパイラル上に巻いた振動版

富士通テン(421)
 富士通テンの球形タイムドメイン・スピーカーは、その形のエキゾチックさとサウンドの斬新さで、発表以来確実にファンを増やしてきている製品です。演奏のリズム感をリアルに伝える音のスピード感と、微細な音の表現力、空間再現力に富んだ音が特徴です。試聴室では、このスピーカーでサラウンドサウンドシステムが組まれ、立体的で音場感豊かな音楽を奏でていました。
球形タイムドメイン・スピーカー
タイムドメイン・スピーカーでサラウンドサウンドを体験

パイオニア(422)/TADラボ(423)
 4階のパイオニアブースは、2室に分かれてTADスピーカーによる2チャンネルハイエンドオーディオの試聴会と、10ch・1400W同時出力のマルチチャンネルプリメインアンプ「SC-LX90」と、EXシリーズスピーカーによるマルチチャンネルシステムによるサウンドサウンドデモが行われました。「TAD ( Technical Audio Devices )」 は、パイオニアが主に音楽スタジオ向けに発売しているプロフェッショナルスピーカーの名称。EXシリーズのスピーカーも、この技術を継承して生まれたそうです。ブースは、タイムスケジュールに従ってデモが行われましたが、毎回満員の盛況で、大変賑わっていました。
TADスピーカーによる2チャンネルの試聴会
「SC-LX90」とEXシリーズスピーカーによるマルチチャンネル試聴会

三菱電機・三菱電機エンジニアリング(424)
 三菱電機・三菱電機エンジニアリングでは、ホームオーディオのハイクオリティなサウンドをそのまま車の中でも楽しむことのできる「ダイアトーン」ブランドのスピーカーを紹介。ホーム用スーピーカーのハイエンドモデルである「DS-MA1」の技術を応用して生まれた車載用スピーカー「DS-SA1」をスピーカーエンクロージャーに入れてデモを行いました。独自の技術である「B4Cピュアボロン」を採用したトゥイーター、アラミッドスキン・ハニカム・コーンを採用したウーファーによるサウンドは反応が早くピュアなサウンドを実現したものです。
「DS-SA1」をスピーカーエンクロージャーに入れてデモを実施
右側がホーム用スピーカー「DS-MA1」、左側が「DS-SA1」
「DS-MA1」に使われたユニットも展示

クボテック(425)
 クボテックでは、印象的なデザインの「ハニワ・スピーカー・システム」と同社のアンプによる試聴会を実施。従来のクロスオーバー・ネットワークでは「位相シフト」が発生して立ち上がりのインパクトが失われるなどの問題が発生することを指摘。これをスピーカー出力音の周波数特性と位相特性を同時にフラットに補正するコントローラーを使用することで回避したというシステムをデモしていました。管楽器の生々しさと弦の響きの美しさは感動的でした。
クボテックの「ハニワ・スピーカー・システム」のデモのようす
「ハニワ・スピーカー」は独特のデザインが印象的

ご来場、ありがとうございました!
来年のA&Vフェスタ2009の開催については
後日、ホームページで告知いたします。
お楽しみに!