万能型Blu-rayディスクプレーヤーでハイレゾオーディオ三昧
我が家がネットワークAV対応したのは6年以上前になる。引越しを契機にAVシステムを一新する際に、当時導入されて間もないLinnのDSシステムに「これだ!」と思い、しかしながら高過ぎて購入できないので、AVアンプに装備されたDLNA機能とファイル再生機能を使ってCDライブラリをファイル化したのがスタートだった。
その後もNAS(当時はオーディオ用なんてものはなかった)を、UPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ=繋いだらすぐ使えます的な)という謳い文句に騙され大苦労して導入したり、3年ほど前に海外メーカー製ネットワークオーディオプレーヤーも実戦配備している。 つまり、我が家にとってはネットワークオーディオというのは極めて日常的な存在。
では今回体験記を書く意味ないではないか、ということになる。が、現有のネットワークプレーヤーが最近挙動不審を示しているし、Blu-rayプレーヤーでネットワークプレーヤーにもなる万能機が市場で人気を博していることも承知しているし、なおかつ現有のBlu-rayプレーヤーの起動時間の遅さに辟易しているので、この際その万能型BDプレーヤー、OPPO BDP-105JPなるものを導入してみるか、ということになった。以下はその顛末である。
届いた梱包を開封すると、なぜかこんなカタログもどきが入っている。Blu-ray、DVDビデオだけでなく、CD、SACD、DVDオーディオも演奏できるし、最近オーディオマニアの間では気になる存在のDSDディスク、BDオーディオディスクも再生可能。DLNA、ファイル共有機能も搭載。高性能DACを装備など、至れり尽くせりの内容だ。
取説は日本語版。海外メーカー製ながら、電源も日本仕様100V専用設計と本気度が高い。
今どきの日本製製品は発砲スチロールもあまり使わないが、こいつは発砲ポリエチレンの緩衝材に不織布のバッグ(エコバックに使えそうな取っ手つき)と、随分と贅沢な梱包だ。
さて、製品を取り出すが、ずっしりと重い。最近のBDレコーダーの薄くて奥行きの短い軽量筐体を見慣れている身には、「異様にでかい!」と思える。
リアパネルを見ると、この製品がクオリティ重視の物量投入型であることが判る。マルチchとステレオ出力は独立設計。ステレオ出力にはXLR端子まで装備している。
接続は、BDレコーダーを持っている人なら当たり前のもので、至極簡単。試しにアナログステレオ出力にはXLRケーブルを使用し、AVアンプではなく、オーディオアンプに接続してみた。イーサーネットケーブルも接続して電源を投入すると…
新しいファームウエアを自動的に見つけて教えてくれた。
こんな感じ…なので、特に考えずにファームウエア更新する。
ファームウエア更新中。更新終了後、自動的にパワーOFF。電源を再投入したら「工場出荷設定に戻す」を実行せよ、と取説に書いてある。
そしてホーム画面。日本でサービスされていないVuduやNetflixなどのアイコンが表示されるのはご愛嬌?まず、はじめにネットワーク機能がお題目どおりプラグ&プレイで生きているか、試してみよう。
おや、ごくごく普通にNASも他のネットワーク機器も見えているではないか! これが当り前と思う人は幸せ… 昔はこうじゃなかったのよ。しかもNASはDLNAとファイル共有の両方で認識されているね。
まずはDLNAで覗いてみる。フォルダも正常に表示されていますね。
楽曲を選択すると…ジャケット情報のある曲はちゃんと表示してくれる。
ここで聴いたのはAmanda Breckerの「Here I am」。この女性、あのブレッカーブラザーズのランディ・ブレッカーとジャズピアニストでボーカリストのイリアーヌ・イリアスのお嬢さん。うーむ、蛙の子は蛙か…
しかし、ネットワークオーディオを楽しむためにいちいちTVを点けるのはなぁ…
と思ったら、OPPO純正のコントロールアプリMedia ControlHDがあったのでiPadにインストール。このアプリはDLNA経由ではなく、ファイル共有機能からNASにアクセスするみたい。
おー、これぞあるべき姿!こりゃ快適だわ。DSD(この機種では2.8MHzまで再生可)、WAV、FLACなどのハイレゾファイルはもちろん、MP3やAACなどの圧縮音声もOK。
何が良いって、ホームシアターのシステムコントロールアプリやブラウザとシームレスにいじれるからね。楽曲やアーティストの情報知りたいときなんか超便利! CDやLPはもちろん好きだけど、この便利さを味わうと…今や昔かなぁ。
ただ、ファイルによっては楽曲情報がちゃんと表示されない。特にWAVファイルは表示できるやつとできないやつがある。Tag情報ってのが入っていないとダメということのようだ。
これは「Sela Una Noche」176.4kHz/24bitの超高音質録音。尋常じゃないよ、この音。さぶいぼモンですよ・・・
このOPPOのプレーヤーはUSBメモリーやUSB HDDを直結して、そこに収録した楽曲も再生可能なのだ。これは本体側の表示が必要なので、もう一度TVをON。
USBメモリーはこんな風に認識される。楽曲表示は同じなので割愛する。
で、大体ファイル再生機能は理解できたので、このプレーヤーの生来の機能であるディスク再生なぞしてみむとぞ思ふ…
SACD再生はステレオ優先、マルチチャンネル優先を選択できる。ちなみにどちらを選択してもリモコンの「Audio」ボタンで切り替え可能。(これって裏機能らしくて取説には記載がないみたい?)
ここではマルチチャンネルにしてみた。聴いたのは「モーツァルト/ホルン協奏曲 ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団 PentaTone Classics」オリジナルの録音は1971年9月4chレコード用に録音されたもの。5.0chと表示されるが、実際にはセンターなしのクアドラフォニック(4ch)でSACD化されているようだ。これがね、痺れるくらい音が良い!フワッとしたホールトーンと楽器の定位が見事に調和している。
ちなみにこんな感じのシステムで再生。映画鑑賞用にセンターの軸は若干LRより低い。
この後、スクリーンを下ろしてBlu-rayの音楽作品を複数見たが、起動は速いし、画質音質とも大満足のレベル。Jackie Evancho、Jeff Beck、David FosterなどのライブBDを高音質サラウンドで堪能した…
これでもかとばかりに搭載されているUSB DAC機能を試してみた。実は私は何を隠そうPCオーディオはど素人… 先達のご指導によりMacを使用した。メディアプレーヤーはAudirvana Plus。まずはPreferenceタブからオーディオインターフェースでOPPOを選択…。
それでもって、Mac上に格納されたハイレゾ音源を聴いてみる…
聴いたのは「Gaucho /Steely Dan」、「Isn’t she lovely/ Livingstone Taylor」のFLAC96k/24Bitファイル。うーむ、PCオーディオってこんなに簡単で高音質だったのね… これは本格的にやってみようかという気になるね。
まとめ
「何でもできる機械は、どれも満足にできない」なんてことをオーディオマニアはとかく言いがちだが、このOPPO BDP-105JPにその言葉は当てはまりそうにない。何でもできる万能性に加え、快適な操作性、何よりも説得力のある音質をも備えている。お金もスペースも潤沢にある人は専用機を何台も購入すれば良いと思うが、そうでない私のような身には、この万能型BDプレーヤーはジャストな存在かな。