DENON D/A コンバーター DA-300USBによるシステムアップグレード
我が家のオーディオシステムが、何とか家族にも受け入れられるようになってからようやく2年目になります。当初でこそ、電源を入れるのもちょっと…という声もあったようでしたが、皆を楽しませながら折り合いをつけるという私の弛まぬ努力の成果か、今では”様々な映像や音楽を本当に良い音で”、というコンセプトが受け入れられつつあるように感じます。このインターフェースの要になるのが、D/Aコンバーターとなるのですが、これまでこの要が、単なる音楽再生だけでなく、いろいろなメディアの再生に役立ってきました。どのように?というのは、後々お話しするとして、数年前に購入したノーブランドのD/Aコンバーターの故障をトリガーに、家族からブーイングを伴う激励を受ける形で、今回DenonのDACを購入することとなりました。先代DACの経緯もあり、やはり信頼性が選択の優先項目でした。いわゆるブランド買いということになるかもしれませんが、結果はとても満足のいくものになったと思います。
さて、発売直後から常に品薄ということで1ヵ月以上も待った末、先日やっと我が家に納品されたDenon DA-300USB。家族のプレッシャーもあり、早々に導入しなくてはなりません。
早速箱を開けていくと、何だが違和感が….カートンは昔ながらのDenonデザインで間違いないのですが、以前購入した製品で感じたはずのあのすごく面倒な感じが軽減されているような… 今はより良きユーザーインターフェースがあたりまえの時代。一方でDenonだけはそんなのもの関係ない!という質実剛健な感じが、実は嫌いではなかったのですが、それ以上にサクサクと箱から取り出せるのに感じ入ってしまいました。
いつものDenon箱なのですが….
付属品がすぐ手に取れました。簡単セットアップが簡単に見ることができます。
パッキンが小分けになっているので、サクサク開いていくと本体や電源が出てきます。
パッキンの欠片を掃除する手間がいらなくなったので、
なんてストレスフリーなことよ、という感じで気分よく本体を取り出そうとすると、ん?予想以上に重い。造り込み=高音質と思っている私のような者にとっては期待が増します。
せっかくですので、こういう風にもセッティングしてみました。デザインが秀逸です。新しいDenonという感じがして好みであります。後で電源を入れてみて気づいたのですが、縦置き/横置きで表示も切り替わるのですね。当たり前と思われるかもしれませんが、あのDenonを知っている者としては、いい意味で期待を裏切られた感じで、ついニヤリとしてしまいます。
私のシステムですが、HifiアンプとCDプレーヤーを中心として、リビングのTVラック周りに設置されています。これまで家族の賛同を得ようと、いくつかのメディアプレーヤーを導入してきました。動画やAirPlayによる音楽再生のためのApple TVやテレビそのものからも音声を取り出してきてアンプを介してスピーカーをドライブしていたりします。
では、簡単セットアップガイドを片手にセッティングを開始します。
とは言え、先代DACのセッティングを変える必要がないため、そう手間ではない。
アンプへの出力を接続した後、それぞれのメディアプレーヤーに繋いでいくのですが、とにかく必要十分な接続端子を備えています。(光x2/同軸x1) こうしたDAC製品って、あるようでそうないのが現状ではないしょうか?最後にCDプレーヤーを同軸デジタルに接続。コンパクトな筐体はラックに綺麗に収まりました。
この段階では誰もがそうするように、私も電源の入り切りや入力の切り替えを試すわけですが、メカニカルキーやノブに慣れている身には、操作パネルがタッチセンサーとなっているのに多少の違和感がありました。ですが、反応速度が私にしっくりいっているのか、直ぐに慣れて意外に使い易いと感じました。
では早速、視聴してみましょう。
iPhone⇒AirPlay⇒Apple TV⇒DA-300USB経由の接続で、片端からPlaylistを再生していきます。先代のノンブランドDACと比べ、空間表現や音の精細において次元が違うことを確認して、少なからず感動しました。ですが、私が本当に試したかったのは、次のステップであってDA-300USBを外付けDACとしてCDを再生することにありました。今あるCDプレーヤー内蔵のAlpha ProcessingをAdvanced AL32へアップグレードしたいというのが、家族向けではない私個人の購入動機だったからです。この効果は、特別なものがありました。そもそも以前からDenonのCD再生のコンセプトや方向性に思い入れがあって、彼らの最新の技術が何を変えてくれたのかにとても興味があったのです。結果を言うと、彼らの基本的な指向になんら変わりはありませんでした。緻密でいてパワーを表現してくれる、色付けのないDenonらしい音が出てきます。ただし、先の試聴でも感じた空間表現やS/N感の良さは、まさしくアップグレードされたものとなっていました。Denonらしさはそのままに、ひとつ上のレベルを手に入れることができた。この製品を1ヵ月以上も待って良かったと感じた瞬間でした。
さて….次は、SACDをと思ったのですが、うまくはいきませんでした。当たり前です。 HDMI以外で出力される信号でないことを失念していました。そこで、もともとの目的には入っていませんでしたが、PC⇒USB-B経由でDSDネイティブレゾリューションにトライしなければならなくなりました。来週末にでもセッティングしてみることとします。
最後に、やはり私の家族のレビューも付け加えたいと思います。2歳になる娘のために購入した動画付きの絵本アプリ(アプリ名:じゃじゃじゃじゃん – 販売元: FORii, Inc.)をAirPlay経由で再生したところ、高音質/高画質という観点とは別として、大変好評でありました。
それから一週間ほどしたころでしたか、娘がDA-300USBの電源を自分で入れて、何か再生しろとせがんでくるに至っては、何かに勝利したような心持になったのでした。