ヤマハLSX-70 ライティングオーディオシステム
春はあけぼの
どちらかと言えば私は春眠暁を覚えずである。本当は寝坊をしてしまうほど眠り心地がいい時期のはずだが、私は春と言えば花粉症に苦しみ、ひどい時は寝付けない時があり、また変な時間に目が覚めたりする。
そんな悩みを友達に話していたら、ベッドサイドで音楽を掛けておくのにいいものがあるんだけど、試してみないか?と言う。気が紛れて寝つきが良くなるなら試してみたいものだと思い、借用をお願いした。ヤマハのLSX-70というライティング機能の付いたオーディオシステムである。Webサイトでみるとフォルムも美しく、インテリア性も高そうだ。仄かなライティングと静かな音でいい眠りを誘いそうである。
ある日帰宅すると、LSX-70が届いていた。パッケージも美しい。
では早速開けてみよう!
ここでちょっとうれしくなる設計がされていて、にんまりとしてしまった。
発泡スチロールで商品がくるんであったが、発泡スチロールに切り込みが入っていて、そこに指を引っ掛けると箱から取り出しやすくなっていた。
箱いっぱいいっぱいに発泡スチロールが入っていて、箱を振らないと取り出せない商品もけっこう多かったりするので、この心遣いはちょっとうれしくなった。こういう心遣いのある人たちが作った商品だけに、期待が持てる。うきうきである。
さて、商品本体を取り出してみた。
うわっ!
イメージしていたより、デカッ。
写真からはスターバックスのタンブラーくらいの大きさかとイメージしてしまっていたので、ちょっとだけ驚いた。
ビールの大ジョッキくらいの大きさがある。でも大き過ぎて邪魔になるほどではない。
ベッドサイドに置いてみると、こんな感じである。
ん~~、なかなか美しい佇まいである。
娘が「何してるの? いい感じの光だね!」とか言いながら寄ってきた。今流行の「あったかいんだから~」と口ずさみながら商品に手をかざすと「あれ?あったかくない・・・」とつぶやく。「あたりまえじゃん、電球じゃないんだから熱は出ないよ。LEDなんだからさ」
娘も興味があったのかしばらく横で見ていた。 暖炉の炎のようで、暖かみのある魅力的な灯りである。
アプリの準備
さてさて、この商品は 一般的にはブルートゥース・スピーカーと呼ばれるもので、ブルートゥース接続したスマホやタブレットから再生する必要がある。そのために、まずはアプリを準備することになる。
こういうセッティングは意外とつまづくことが多くて、音楽が楽しめるまでに時間が掛かったりするものだが、
あっさりと接続相手も見つかる。
こんなホーム画面が現れた。この画面がまた凝っていて、縦のラインが気持ちよく動いて、非常に美しいデザインである。更に1分ごとに色が変わる。
見ていて飽きない画面だが、見ていてもしょうがないので、先に進もう。
気になるので、セットアップをタップしてみたが、セットアップはほとんど触るべき項目はなかった。
ということで、照明/音楽をタップする。
まずは、照明の明るさを5段階で調整できる画面が現れた。ちゃんと明るさに合わせて画面の明るさも変わる。画面の美しさだけでなく、こういった配慮が行き届いているのは素晴らしい。
右上のオンと書いてあるところの電球マークをタップするとオフになり、もう一度タップするとオンになる。直感的に分かりやすい作りだ。
この画面を左にスライドさせると
音楽再生用の画面が出て来る。選曲は右上のリストボタンをタップする。
<曲名>リストからだけでなく、<アーティスト>や<アルバム>などのリストから選ぶこともできる。
いよいよ再生
寝る前に聴くのに相応しい静かな曲ということで、Jazzピアノの名手Bill Evansを聞いてみることにした。
Bill Evansといえば、「Waltz For Debby」が有名だが、同じ日に同じニューヨークのライブハウス「ヴィレッジ・ヴァンガード」で収録された「Sunday at the Village Vanguard」を聞いてみることにした。
「All Of You」を選択。お~、簡単に音が出た。
ちなみに音源はCDをiTunesに取り込んでAACにしたファイルである。今、高音質で流行のハイレゾではないものの、なかなか厚みのある力強い音がする。それもそのはず、円筒形の底の部分にウーファーが入っていて、実にその存在効果が絶大である。ベースの響きがビビッドに聞こえる。大きな音を出していたわけではないが、この小さな本体から余裕を感じる音が出るんだと感心する響きであった。また、頭のほうにツィーターがあって、対向するように円錐の反射板があり、これによって音が360度に広がるようになっている。
ふ~む、でも、聞き慣れて来るとなんだかくすんだ音だなぁという印象である。ちょっとピントが甘いって感じかな。
いくら古い録音だろうと、AACという圧縮音源だから粗いだろうとはいえ、もうちょっとピアノの音域が伸びて聞こえてもいいんじゃないだろうか。この辺は最近流行の重低音重視といった音作りなのかもしれない。
音楽再生用の画面の下の方に、音質調整と書かれたサインカーブのマークが見える。これは何だろう?とタップしてみると、グライコ(グラフィック・イコライザ)が現われた。LOW/MID/HIGHとざっくりとしたレンジだが、気になる高音域を強めにしてみると、ピアノらしい響きが聞こえてくる。逆に力が強すぎる低音域を少し下げてあげるとかなり聞きやすくなったが、さすがに全体的に音が痩せた感じになってしまった。そこで中域を少し持ち上げると、これがまたなんとも聞いていて気持ちのいいバランスになったではないか。まるで両手を広げたように音が広がる感じで、聞き慣れた曲にも関わらず安心感という音色が出てきた。アーティストが近くにいるような明瞭さが出てきたと思う。
この傾向はこのアルバムだけなのか確かめたくなって、新譜の曲を聞いてみることにした。カナダ人の女性JazzボーカリストのDiana Krallによるカバーアルバム「Wallflower」から「Desperado」。Eaglesの名曲で、心に染みるバラードである。
しっとりと歌うDiana Krallの息づかいがなかなか艶めかしい。音質調整をFLATに戻してみると声が前に出て来ない感じなので、もどかしい。こういう調整で自分好みの音が作れるのはけっこう楽しいものである。
好みの音色が聞けるようになったところで、違うジャンルの曲も聞いてみたくなった。でもJPOPのような曲だとむしろ低域を上げた方が元気な気分にさせてくれるし、オーケストラにはさすがに役不足。小型の機器であることを理解して、机の脇でBGMを流しておくとか、ベットサイドで静かな曲を流して気持ちよく眠りにつくといった、適した用途に用いるのがいいように思う。
ところで、再生用の画面で下の方にあるバーは曲の位置を表わすのかと思ったら、ボリュームだった。ボリューム調整は良く使う機能だけに ちゃんと<ボリューム>と書いておいて欲しかったなぁ。
すやすやと眠りに・・・
そろそろ最も楽しみにしていた使い方にチャレンジしたい。それは、静かな音楽を聴きながら寝むりにつくこと。
ホームメニューの下の方にあるSMART TIMERをタップすると、分かりやすいタイマー設定の画面が現れた。
また、時間設定などは、番号のところをタップすると詳細設定画面が現れる。
画面を抜けようとすると、本体と同期を取ろうとする。OKをタップすれば、これで設定完了。
あとは布団に入って、静かに好きなアルバムなどを聞いておくだけ。 オフタイマーの時間よりも前に寝付いてしまえば、知らぬ間に音楽も灯りも消しておいてくれる。
心ときめきするもの
好きな音楽を聴きながら、眠りにつくのはなかなか気持ちがいい。この気持ち良さを導いてくれる音の良さと仄かな灯りが、絶妙!
今まで音楽を聴きながら寝た経験がないわけではないが、このヤマハのLSX-70という商品はデザインも音質においてもコンセプトがしっかりしている。今回の商品体験は大満足に終わった。まさに心ときめく商品だった。
色が黒以外にブロンズやゴールドがあるようだ。ゴールドあたりだと女性にも人気が高いかもしれない。インテリアオーディオ<Relit> 生活感を豊かにしてくれる いい商品だった。