過去のおすすめソフト

株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)真保 みゆき氏 12月の推薦盤

2015年を代表するポップス・アルバム♥

嵐/Japonism

CD

ジャンル:J-Rock&Pops
レーベル:ジェイ:ストーム
発売日:2015.10.21
価格:¥3,300+税
品番:JACA-5484~5

2015年11月19日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013
飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ

発売元:株式会社シンタックスジャパン
発売:2014/12/12(e-onkyo music
価格:¥2,057(税込)
フォーマット:24bit/96kHz FLAC/WAV

聴きどころ

今月は日本オーディオ協会の法人会員でもある株式会社シンタックスジャパンが立ち上げた音楽レーベル”RME Premium Recordings”から新旧7作品を取り上げる。シンタックスジャパンはドイツRME製品の販売元であるシンタックスグループの日本法人であるが、そのシンタックスジャパンが、MADIと呼ばれる音声伝送技術をベースにしたRMEの録音機器を使ってコンパクトな機材で良質な音楽制作を行う為に立ち上げたレーベルがRME Premium Recordings である。RME Premium Recordingsの録音フォーマットは96kHz/24bit以上のハイレゾ録音であり、販売はe-onkyo musicからとなる。
さて、1作目は昨年の「日本プロ音楽録音賞」の「2chノンパッケージ」部門で 最優秀賞を受賞した「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013」を取り上げる。演奏は飛騨地方に縁のある演奏家が中心に立ち上げたオーケストラであるが、さすが国内外で活躍するトッププレイヤーの集まりで演奏は素晴らしい。このオーケストラは指揮者を置かず演奏家同士で曲作りをするとのことで、アルバムに収録されている聞きなれたモーツァルトのクラリネット協奏曲でも随所に新鮮な響きを出している。プロコフィエフの古典交響曲も小編成オーケストラならではの緻密なアンサンブルとハーモニーを愉しめる。終曲の「飛騨山娘」では、日本ののどかな原風景が良く表現された、心和む好演奏である。録音はRME Premium Recordingsの基本理念「色付けのない透明無垢なサウンドで演奏会場の空気感さえも余すことなく録り込んだレコーディング作品を、録れたての音を産地直送さながらに余分な加工をせずにユーザーの再生環境へ届けること」の通りに、空気感あふれる自然な音場感を再生し、あたかもコンサート会場にいる気持ちになる好録音。音色は滑らかで、この滑らかさは特にモーツアルト作品では優雅さを引き出している。録音は2013年6月2日に高山市の飛騨・世界生活文化センター飛騨芸術堂で行われたライブ録音。観客の拍手からも演奏会の素晴らしさが伝わる。エンジニアは名古屋芸術大学の長江和哉氏。配信の際添付されるライナーノートには録音機材一覧と詳しいマイク配置の記載があり、オーディオマニアにはうれしい情報となっている。ハイレゾ配信により多くの人がこの作品を最良の状態で聴くことが出来るが、生演奏でこの飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラを聴ける飛騨の人たちをうらやましく思うのは筆者だけではないと思う。

評:JAS

2015年11月19日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

Nozomi Iwai Piano Recital 2014
岩井のぞみ

発売元:株式会社シンタックスジャパン
発売:2014/12/18(e-onkyo music
価格:¥3,240(税込)
フォーマット:24bit/192kHz FLAC/WAV Stereo/Surround

聴きどころ

2作目は岩井のぞみが2014年4月25日に東京・紀尾井ホールで行ったソロピアノリサイタルの全曲収録アルバム。余談だか、ネットワークオーディオの良さのひとつにコンサート全曲収録とか、オペラとか、長時間の楽曲でもメディアの収録時間に制限されないこともあると思う。さて、岩井のぞみは4歳からピアノを始め、桐朋学園大学音楽学部を2009年に卒業後、研究科に在籍し渡米。現在もアメリカの音楽大学に在学中とのこと。また、日欧米の各地でのコンクールで受賞歴があり、今後の活躍が期待される若手ピアニスト。その演奏は、1曲目のバッハのイタリア協奏曲はスムースで軽快。一音一音しっかりとした若手らしい現代風な演奏。2曲目はメンデルスゾーンの無言歌集から7曲。馴染みのある「春の歌」も含まれている。演奏は緻密で、それぞれの楽曲に合った感情が込められている。また、とてもピアノの響きが美しい。リサイタル後半はドビッシーの「前奏曲集第1 巻」。流れるような大きなスケール感の中に様々な音色が奏でられ、まさに印象派、ゴッホの絵を見ているような様な感動を覚える。最後にアンコールが2曲演奏されるが、演奏会を成功させた安堵感か、感情豊かな演奏でコンサートの余韻に浸ることが出来る。ライブ録音であるが、アンコール曲の最後にのみ拍手が入っており、その拍手からも演奏会の素晴らしさが伝わってくる。録音の最大のポイントはハイレゾ録音の為に、周波数特性が100kHz まで伸びているサンケンのCO-100kを使用したことにあると思う。勿論それだけではなく、システム全体、マイキング等、すべてのバランスが重要と思うが、音の鮮度、響きが素晴らしい。何もストレスを感じない、つまりコンサート会場の最上席での試聴が味わえる。録音エンジニアは入交英雄氏で、ライナーノートには詳しいレコーディング情報の記載がある。演奏、録音共に素晴らしいアルバムである。

評:JAS

2015年11月19日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

コントラポントのヴェスプロ
古楽アンサンブル コントラポント

発売元:株式会社シンタックスジャパン
発売:2015/08/31(e-onkyo music
価格:¥2,700(税込)
フォーマット:24bit/192kHz FLAC/WAV Stereo/5.1ch Surround/3D-Height Surround

聴きどころ

3作目は古楽アンサンブル・コントラポントの演奏によるモンテヴェルディ作曲「聖母の夕べの祈り」。2015年6月22日 カトリック関口教会 東京カテドラル 聖マリア大聖堂で行われた、結成10周年記念として開催された第20回定期演奏会でのライブ録音である。会場の東京カテドラル 聖マリア大聖堂は残響7秒との事で、所謂コンサートホールの音響環境とは異なるが、ルネサンス音楽からバロック音楽は教会音楽がベースであるから、本来の会場での演奏会となる。演奏もモンテヴェルディの時代の様式に忠実に行われたとの事であり、教会の長い残響が荘厳さを醸し出している。楽曲は、バッハのカンタータ同様、オルガン前・後奏、声楽ソロ及び合唱と古楽器による小編成管弦アンサンブル、リート伴奏、オルガン伴奏による声楽ソロ、グレゴリオ聖歌によるアンティフィナや祈祷など様々な演奏形態が交互に行われ、1時間半を超える長時間楽曲であるが楽しめる。録音は残響7秒からわかる通り、響き成分を多く含むが、決して共鳴音ではなく、演奏そのものをマスキングする物ではない。あくまで自然な響きでモンテヴェルディの音楽の一部であり、音楽性を高める重要な要素と思う。今回はステレオ版を試聴したが、3D-Height Surround版も用意されるとの事で、興味ある提案と思う。録音エンジニアは入交英雄氏。録音詳細はシンタックス社の下記サイトから参照できる。「聖母の夕べの祈り」はルネッサンス音楽の傑作でもあり、多くの人に聞いていただきたいアルバムである。
http://www.synthax.jp/user-artists/articles/contraponto.html

評:JAS

2015年11月19日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

三枝伸太郎 Orquesta de la Esperanza
(オルケスタ・デ・ラ・エスペランサ)

発売元:株式会社シンタックスジャパン
発売:2015/09/25(e-onkyo music
価格:¥2,700(税込)
フォーマット:24bit/192kHz FLAC/WAV

聴きどころ

4作目は映画音楽、劇伴音楽を多数手掛ける新進気鋭の作曲家、三枝伸太郎が率いるアンサンブル「Orquesta de la Esperanza」のデビューアルバム。「Orquesta de la Esperanza」は2014年4月、6人編成で初演を行い、現在は日本におけるタンゴ演奏では最も人気のある若手演奏家による8名編成。今回の演奏楽曲は1曲を除きすべて三枝による作曲。1曲目は温かみを感ずるバンドネオンと弦楽四重奏で始まり、2曲目はピアノ、ベースも加わり本格的なタンゴ演奏になり、三枝とOrquesta de la Esperanzaの世界に引き込まれる。続いてこのアルバムのハイライト組曲「希望の季節」。三枝の言葉によると「3.11の震災のあと、春の終わりから夏までを描写したもの」とのことだが暗さはなく爽やかな楽曲である。そして終曲まで一気に楽しめる。録音は、先ずS/Nの良さに驚く。静寂の中から音楽が立ち上がる。各楽器も非常に鮮度が高く、且つ弦楽器は滑らかに、パーカッション系は立ち上がりよく、全く濁りのない素晴らしい録音である。楽曲、演奏も素晴らしいが、この音質観点だけでも大推薦である。2015年5月29日、30日 神奈川県立相模湖交流センターで録音。ライブではなくセッション録音のようである。エンジニアは名古屋芸術大学の長江和哉氏。演奏内容、録音共に非常にレベルの高い推薦版である。

評:JAS

2015年11月19日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

La Rencontre ─ めぐり逢い ─
後藤浩二

発売元:株式会社シンタックスジャパン
発売:2015/03/20(e-onkyo music
価格:¥2,700(税込)
フォーマット:24bit/192kHz FLAC/WAV Stereo/Surround

聴きどころ

5作目は名古屋を拠点に国内外で精力的に演奏活動・作曲活動を続けている後藤浩二のソロピアノ作品。ジャンル的にはジャズピアノになると思うが、ライナーノートにあるように「ピアニスト後藤浩二が紡ぐ12の短い物語」である。自作曲で組み立てられその中に、ビル・エバンスの「We will meet again」と終曲にヘンリー・マンシーニ作曲の「Two for the road」(オードリー・ヘップバーンが主演した映画「いつも2人で」の主題曲)が入る。アルバム全体を通して流れるようにゆっくりと進んでいくが、合間に「Fairy tale」「Angel’s Waltz」等の軽快な曲が心地よさを生み出していく。4曲目と11曲目で演奏される「We will meet again」が素晴らしくビル・エバンスへのオマージュを感じさせる。録音はピアノがしっかりセンターに定位し、空間の中に自然な響き広がり、ソロピアノのお手本のような好録音。2014年4月と6月に愛知県豊川市 小坂井文化会館(フロイデンホール)での録音で、エンジニアは一作目と同じ名古屋芸術大学の長江和哉氏。

評:JAS

2015年11月19日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

MIE JOKÉ sings BALLADS and other love songs
情家みえ

発売元:株式会社シンタックスジャパン
発売:2014/10/29(e-onkyo music
価格:¥2,000(税込)
フォーマット:24bit/192kHz FLAC/WAV

聴きどころ

6作品目は5作品目の後藤浩二のピアノをバックに歌う情家みえのデビューアルバム。デビューアルバムと言っても新人ではなく、学生時代から地元徳島県内のホテルやクラブでジャズを歌い始め、上京後Body & Soulの関京子氏の勧めでプロデビューしたとの事で本格派である。曲はバラードを中心としたスタンダードであるが、一曲目のコール・ポーターの「So in love」でわかる通りアレンジが素晴らしく、どの曲も彼女自身の歌のように歌いあげている。選曲もよく、フランク・シナトラの「A Swingin’ Affair!」に収録された「I WON’T DANCE」、マイフェアレディーの「ON THE STREET WHERE YOU LIVE」等々、耳慣れた曲ばかりで楽しめる。また、バックを務める後藤浩二のピアノも素晴らしい。録音は自然な音場で広がるピアノの上にボーカルが定位した好録音。2014年3月22-23日に名古屋芸術大学 NUA Studioでの録音。エンジニアは名古屋芸術大学の長江和哉氏。

評:JAS

2015年11月19日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

ライブ アット ジャズ イン ラブリー バラッドナイト
チコ本田

発売元:株式会社シンタックスジャパン
発売:2014/09/16(e-onkyo music
価格:¥2,800(税込)
フォーマット:24bit/96kHz FLAC/WAV

聴きどころ

”RME Premium Recordings”の最後は名古屋のジャズ・ライブ・スポット「Jazz inn Lovely」でのライブ録音。演奏はチコ本田のボーカルとバックは吉田桂一(P)、荒巻茂生(B)、江藤良人(Ds)、竹内直(Sax)である。チコ本田は、兄は渡辺貞夫、弟は文男、夫は本田竹広であり、多くのジャズマンから尊敬を集めるジャズボーカルの女王と言われている。その歌声は決して美声ではなく、B.ホリディにも通じる、体から絞り出される心からの歌声である。時には哀感を帯び、時には圧倒的なパワーを放つ。このライブでもその自在な歌声を十分楽しめる。曲はスタンダードを中心にビートルズソングもはさみ自在だが、9曲目の「それはスポットライトではない」あたりから一段とSoul色を見せ、ベースとドラムスの掛け合いから始まる「God Bless the Child」を経て終曲の「What’s Going on」では最大の盛り上がりを見せる。まさにライブである。録音はボーカルがセンターに定位し、後ろにサポート陣が広がりライブハウスの音場を再現。且つ、各楽器のソロはクリアーに録られ、質の高い録音がライブの雰囲気を一段と盛り上げている。2013年9月14~15日の収録でエンジニアは名古屋芸術大学の長江和哉氏。ライナーノートには録音機材一覧と詳しいマイク配置の記載がある。

評:JAS

株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)峰尾 昌男氏 11月の優秀録音盤

作られた音、でもそれは正しい

チャイコフスキー&メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
三浦文彰(ヴァイオリン)、ハンヌ・リントゥ(指揮)、
ベルリン・ドイツ交響楽団

発売元:エイベックス
価格:¥3,000+税
品番:AVCL25878
発売日:2015年9月16日

株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)山本 義彦氏 11月の推薦盤

イタリアの血潮

ヴェルディ:歌劇『アイ-ダ』全曲/
アントニオ・パッパーノ指揮
サンタ・チェチーリア国立アカデミーo&cho、
アニャ・ハルテロス(S)、
ヨナス・カウフマン(T) 他

CD

ジャンル:クラシック ~ オペラ
レーベル:Warner Classics
発売日:2015.10.14
価格:¥4,500+税
品番:WPCS-13257~9