過去のおすすめソフト
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)福田 雅光氏 1月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)小出 斉氏 1月の推薦盤
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)山之内 正氏 12月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)田中 成和氏 12月の推薦盤
2016年11月7日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
Cool Swing / 田中真由美 with テイクテン・オーケストラ(LPレコード盤)
発売日:2016/7/4
価格:¥4,000(税込)
品番:Audio Fab. Records AFR 216
聴きどころ
田中真由美さんは先月末秋葉原でのJASイベント「音のサロン&カンファレンス」で、林正儀氏が展開する女子オーディオの会にゲスト出演し、アナログLPレコードの楽しさを語ってくれました。会場に用意したレコードプレーヤーに彼女がリリースした最新LPレコードを自身の手で針を落として試聴、そして曲の解説も。自宅にプレーヤーをセットしてLPレコードを楽しむのは、オーディオファイルの心をより知りたいという欲求からだと言う。そんな彼女の最新盤を早速聴いてみました。
「お久しぶりね」では彼女の歌唱リズムとバックの演奏のノリ一体感が気持ちよくスピーカーから飛び出してくる。「キャラバン」はエキゾチックな演奏と彼女の正確な発音による歌声がマッチする独特の作品に。なによりも演奏のアレンジが楽しくフリューゲルホルンのソロも良い響き。盤面を返し「ムーンライト・セレナーデ」のアルトサックスが綺麗に聴こえ「シークレット・ラヴ」ではライナーノーツにもあるように彼女がドリス・デイの美しい英語の発音をリスペクトして取り組んだ作品で、溢れ出る思いを秘めた歌唱に惹かれます。
アルバム全体を通してバリバリと攻める音創りではなく、ヴォーカリストの可憐な声音と雰囲気を丁寧に包み込むJAZZですが、今後の活躍がとても楽しみなアーティストです。
評:JAS
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)峰尾 昌男氏 11月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)松永 良平氏 11月の推薦盤
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)福田 雅光氏 10月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)安田 謙一氏 10月の推薦盤
2016年9月14日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
ベルリオーズ:幻想交響曲&リハーサル
シャルル・ミュンシュ(指揮)
日本フィルハーモニー交響楽団
品種:CD
発売元:オクタヴィア・レコード
発売日:2016/08/26
定価:¥2,700(税別)
商品番号:OVCL-00599
聴きどころ
7月に紹介した「ブラームス交響曲第1番」に続き、1964年、単身来日したシャルル・ミュンシュが創立間もない日本フィルハーモニー交響楽団を指揮したライブ録音から「ベルリオーズ幻想交響曲」を紹介する。「ブラームス交響曲第1番」同様、故若林俊介氏がラジオ番組用に録音した秘蔵のテープからのCD化である。シャルル・ミュンシュの幻想交響曲はボストン交響楽団、パリ管と数々の名盤が存在するが、それらに勝るとも劣らない素晴らしい演奏である。第1楽章から第2楽章は比較的緩やかなテンポで穏やかに進み、第3楽章冒頭のオーボエとイングリッシュホルンの掛け合い、その後の弦楽の広がりと管とのアンサンブルは、その丁寧でゆったりとしたテンポが「野の情景」を表現し素晴らしい。そして、第3楽章の終わり近くのオーボエとティンパニーが緊張感を高め、幻想交響曲のハイライト、第4、第5楽章につながっていく。第4楽章のティンパニーのしっかりとした低音、第5楽章後半の金管とティンパニーは大迫力であり、まさにライブならではの熱演である。音質も60年代初期の録音としては、Dレンジも広くのびやかに録られ素晴らしい。創立間もない日フィルの演奏記録というよりは、シャルル・ミュンシュの幻想交響曲の名盤の一つとして上げられる名演奏と言える。また、このCDには当時のリハーサルの一部が収録されておりとても興味深い。特に、幻想交響曲と同じ日に演奏されたラベルの「ダフニスとクロエ」第2組曲では、第3曲「General Dance」の熱のこもった演奏が本番さながらにほぼ通しで収録され、更にリハーサルの最後には、大指揮者が日フィルを指揮できたことへの感謝の気持ちを伝え、若き団員達を称えているのが印象的である。
評:JAS