過去のおすすめソフト
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)湯浅 学氏 1月の推薦盤
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)山之内 正氏 12月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)大石 始氏 12月の推薦盤
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)峰尾 昌男氏 11月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)峯 大貴氏 11月の推薦盤
2017年10月30日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
モーツァルト:バイオリン・ソナタ撰集<タワーレコード限定>
ダヴィド・オイストラフ、パウル・バドゥラ=スコダ
品種:スーパーオーディオCDハイブリッドディスク
レーベル:COLUMBIA X TOWER RECORDS/The Valued Collection Platinum
発売日:2017/09/22
定価: ¥4,320(税込)
商品番号:TWSA-1037/8
聴きどころ
今回はタワーレコードのSA-CDシリーズの中から、日本コロムビアとのコラボによるドイツ「オイロディスク」レーベルの復刻第4弾の3作品を取り上げる。まず一作目はダヴィッド・オイストラフとパウル・バドゥラ=スコダによるモーツァルトのバイオリン・ソナタ集。ダヴィッド・オイストラフが亡くなる2年前の1972年の録音で、その演奏は今でも名盤に位置付けられる素晴らしいものである。録音はバイオリンとピアノというシンプルな構成ゆえ、今から45年前のアナログ録音とは言え十分な情報量が捉えられており、現在のハイレゾ録音に全く引けを取らないLive感のある優秀録音である。バイオリンは伸びやかで、時に明るく、時に重たく、素朴だが優美な音色で、ピアノはやや奥に定位し響きを抑えたピアノフォルテ的な音色で奏でられ、そのアンサンブルは温かみのある音質となり、いぶし銀のようなモーツァルトに仕上がっている。今は実演を聴くことのできない巨匠の名演奏が高品位な音質で聴けることは素晴らしく、多くの方にお薦めしたい名盤である。
評:JAS
2017年10月30日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
メンデルスゾーン&ブルッフ:バイオリン協奏曲<タワーレコード限定>
レオニード・コーガン、ロリン・マゼール、ベルリン放送交響楽団
品種:スーパーオーディオCDハイブリッドディスク
レーベル:COLUMBIA X TOWER RECORDS/The Valued Collection Platinum
発売日:2017/09/22
定価: ¥2,700(税込)
商品番号:TWSA-1040
聴きどころ
2作目もバイオリンの巨匠の作品で、レオニード・コーガンのメンデルスゾーンとブルッフのバイオリン協奏曲。バックはロリン・マゼール指揮のベルリン放送交響楽団。1974年の録音でレオニード・コーガン50歳のまさに絶頂期の演奏。メンデルスゾーンはゆったりしたテンポでバイオリンが優雅に奏でられ、オーケストラはバランス良く立体感を持って背後に広がり、この超有名曲を新鮮に聴かせる。ブルッフでは、第1、第2楽章はゆったりと重厚に、終楽章は力強く、圧巻の演奏である。フルオーケストラ演奏ゆえ、現在のハイレゾ録音比べ情報量が若干少なく、オーケストラの響きに厚みが多少不足するが、レオニード・コーガンとロリン・マゼールという二人の巨匠の共演による名演奏を十分に引き立てる好録音である。
評:JAS
2017年10月30日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
シベリウス:バイオリン協奏曲 シュニトケ:合奏協奏曲<タワーレコード限定>
ギドン・クレーメル、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、ロンドン交響楽団
品種:スーパーオーディオCDハイブリッドディスク
レーベル:COLUMBIA X TOWER RECORDS/The Valued Collection Platinum
発売日:2017/09/22
定価: ¥2,700(税込)
商品番号:TWSA-1039
聴きどころ
最後は、現在のバイオリンの巨匠ギドン・クレーメルが新進気鋭の30歳の時に録音したシベリウスのバイオリン協奏曲とシュニトケの合奏協奏曲。バックはロジェストヴェンスキー指揮のロンドン交響楽団。シベリウスは、クレーメルが1970年のチャイコフスキー国際コンクール優勝時に本戦で弾いた曲ということで、気迫の演奏である。バイオリンは伸びやかだが緊張感のある音質で、オーケストラは左右に大きく広がり各楽器の定位感も良くダイナミックに展開する。特に第3楽章はクレーメルのバイオリンがオーケストラの上を駆け回ると言っていいほどの気持ちのいい演奏で、圧巻である。シュニトケの合奏協奏曲はこの録音が世界初録音となる現代音楽作品。現代音楽というだけで難解とかで敬遠気味であるが、終曲にタンゴのリズム/メロディーが入るなど、それぞれの楽章で曲風が変化し楽しめる作品となっている。更に最大の特徴は、弦の間にコインを挟んで音色を変えている「プリペアード・ピアノ」をはじめ、楽器の可能性を探るかのように、それぞれの楽器から様々な音色が色々な形で再現されるところにあると思う。それらはシャープでクリアーな音質で、高品位な録音は十分にそれらを再現し、とても魅力的な作品に仕上がっている。現在70歳になったクレーメルは今でも新しいことへの取り組みに積極的であるが、この作品はクレーメルの原点となった作品として多くの方にお薦めしたい名盤である。
評:JAS
2017年10月13日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
モーツァルト: ピアノ協奏曲第15・17・21~24・26・27番
(2017年 DSDリマスター)<完全生産限定盤>
ロベール・カザドシュ&ジョージ・セル
品種:スーパーオーディオCDハイブリッドディスク
レーベル:Sony Classical
発売日:2017/09/27
定価: ¥9,072(税込)
商品番号:SICC-10245-8
聴きどころ
タワーレコード×Sony Classical究極のSACDハイブリッド・コレクション第3弾の2作品を取り上げる。まず、ロベール・カザドシュのピアノ、ジョージ・セル指揮によるモーツァルトピアノ協奏曲集。録音は1959年から1968年で、3トラックまたは4トラックのオリジナルアナログマスターテープから新たにDSD 2トラックステレオにリマスターが行なわれ、SA-CD化されたとのこと。当時の録音状況、また今回のリマスタリングに関しては、ライナー・ノートにリマスタリングを行ったアンドレアス・K・マイヤーによる詳細の解説が「リマスタリング・ノート」として掲載されている。まず、演奏が素晴らしい。ピアノのタッチは明るく滑らかで、オーケストラは弦と管のバランスが素晴らしい。録音はD-レンジの狭さは多少感じるが、歪感、リミット感は全く感じず、自然で透明感のある音色は半世紀前の録音とは思えない。有名な21番の第2楽章は緩やかなテンポで始まる弦がきれいで思わず鳥肌が立つほどである。温かみのある管とのバランスもよく、ピアノは左手の伴奏に右手のメロディーが綺麗に重なり、とても心地よい。2台のピアノのための協奏曲10番ではぴったりと息の合った2台のピアノが左右にバランスよく広がり、スケール感もあり素晴らしい演奏。Disc 1の15番と17番は1968年録音で、4トラックマスターからのリマスターとのことで、情報量も多く、特に低域がしっかりし音像がより下がり、スケール感も豊かになっているのが分かる。時代による録音の特徴が出ているのもオリジナル録音の良さの表れとSA-CD化によるメリットと思う。また、先の「リマスタリング・ノート」に加え、ライナー・ノートがとても充実しており、特に1968年のロベール・カザドシュ来日時にレコード芸術へ掲載されたインタビュー記事はとても興味深い。演奏の素晴らしさに加え、最新技術でのリマスタリング、ライナー・ノートの充実と、リイシューのお手本のようなアルバムで、初めてお聞きになる方は勿論のこと、今までLP、CDで楽しんでいた方にもおすすめ出来るとても高品位な作品である。
評:JAS
2017年10月13日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
ドヴォルザーク: スラヴ舞曲集(全曲)
(2017年 DSDリマスター)<完全生産限定盤>
ジョージ・セル 、 クリーヴランド管弦楽団
品種:スーパーオーディオCDハイブリッドディスク
レーベル:Sony Classical
発売日:2017/09/27
定価: ¥2,700(税込)
商品番号:SICC-10249
聴きどころ
2作目は、ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団によるドヴォルザークのスラヴ舞曲集全曲である。録音は1963年から1965年で3トラック録音。カザドシュのモーツァルト同様今回新たにアンドレアス・K・マイヤーによりDSD 2トラックステレオにリマスターが行なわれ、SA-CD化されたとのこと。既に名盤として定評のある演奏はすばらしい。録音はD-レンジの狭さを多少感じるものの、透明感があり、混濁することなく各楽器が定位よくクリアーに聞こえ、更にフルオーケストラ作品としてのスケール感、ステレオ感も充分にあり楽しめる。加えて、アンドレアス・K・マイヤーによる「リマスタリング・ノート」、「ジョージ・セル、大いに語る」と題したジョージ・セルの没後に発売されたLPレコードに収録されたジョージ・セルのインタビュー音声の翻訳等、ライナー・ノートがとても充実している。特に「ジョージ・セル、大いに語る」は内容が多岐にわたり一読に値する。単なる旧作のリイシューではなく、とても素晴らしい作品となっている。
評:JAS