過去のおすすめソフト
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)福田 雅光氏 4月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)満津岡 信育氏 4月の推薦盤
2018年3月29日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
モーツァルト: 管楽器のための協奏曲集<タワーレコード限定>
カール・ベーム、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
品種:スーパーオーディオCDハイブリッドディスク
発売元:TOWER RECORDS UNIVERSAL VINTAGE SA-CD COLLECTION
発売日:2018/03/14
定価: ¥6,858(税込)
商品番号:PROC-2131/3
聴きどころ
今回はタワーレコード企画盤『ヴィンテージSA-CDコレクション』の第10弾から3作品を取り上げる。まず1作目はカール・ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるモーツァルトの管楽器のための協奏曲集。アナログディスク(LP)4タイトルを3枚のSA-CD/CDにまとめたもので、マスタリングもオリジナルマスターテープから新たに行われ、SA-CD化も初とのことで好企画盤と言える。録音は1972年から1978年とカール・ベームの晩年のもので、ウィーン・フィルの名手たちをソリストに立てたこの協奏曲集は、バランスの取れた、明るく且つ滑らかな演奏で、なじみある旋律を新鮮に聞かせ、とても心地よいものとなっている。ソロ楽器が木管とホルン(ヴィーナーホルン)ということで、音質は柔らかく、オーケストラも室内楽的な鳴りで、弦はいわゆるウィーン・フィルのシルキータッチというより多少硬質感があり、滑らかなソロ楽器とのマッチングもとても良い。今から40年前の録音と言っても1970年代はアナログ録音が充実していた時期でもあり、楽曲にあった録音がされ、演奏の完成度を一層高めている。今回筆者は特に協奏交響曲でのホルン(ヴィーナーホルン)のその滑らかでふくよかで包み込むような音質に魅了された。古楽器的なホルンだが、まさにウィーン・フィルの音であり、モーツァルト音楽に欠かせない楽器と感じさせた。演奏、録音ともに素晴らしく、多くの方にお薦めしたい名演集である。
評:JAS
2018年3月29日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲全集、序曲集(献堂式、エグモント、レオノーレ第3番)
<タワーレコード限定>
ヴィルヘルム・バックハウス、 ハンス・シュミット=イッセルシュテット、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
発売元:TOWER RECORDS UNIVERSAL VINTAGE SA-CD COLLECTION
発売日:2018/03/14
定価: ¥6,858(税込)
商品番号:PROC-2134/6
聴きどころ
2作目はピアノの巨匠ヴィルヘルム・バックハウスによるベートーヴェン、ピアノ協奏曲全集。オーケストラはハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。1957-58年の録音であるが、ステレオ録音が始まり、パッケージメディアとしてのLPが普及した時代でもあり、世界に広まった名盤である。今から60年前の録音とは言え、その音質は全体に明るくメリハリのある好録音。ピアノも明るくクリアーで低域にも腰がありしっかりした音質。エコー感は少なく、ドライですがすがしい音響空間が再生される。当時のデッカの高音質録音技術 Full Frequency Range Recording (ffrr)のレベルの高さがうかがわれる。今回オリジナルマスターテープから新たにマスタリングされたとのことで、SA-CD化により録音当時の音質が充分に再現されたものと思われる。また、このピアノ協奏曲全集にはカップリングでベートーヴェンの序曲が3曲収録されているが、これらはもともと1965年から1969年に録音されたイッセルシュテット/ウィーン・フィルによるベートーヴェンの交響曲全集にカップリングされていたもので、昨年タワーレコードから発売された交響曲全集のSA-CD化の際に収録されていなかった楽曲。これらも素晴らしい演奏で、今回のピアノ協奏曲全集も、交響曲全集同様、LPで聞いていた愛好家の方々は勿論のこと、若いクラシックファンの方にも聞いていただきたい名盤である。
評:JAS
2018年3月29日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
ブラームス: 交響曲第2番、大学祝典序曲、悲劇的序曲<タワーレコード限定>
ピエール・モントゥー、ロンドン交響楽団
品種:スーパーオーディオCDハイブリッドディスク
発売元:TOWER RECORDS UNIVERSAL VINTAGE SA-CD COLLECTION
発売日:2018/03/14
定価: ¥3,483(税込)
商品番号:PROC-2137
聴きどころ
最後は、ピエール・モントゥー指揮、ロンドン交響楽団によるブラームス 交響曲第2番と序曲2曲。モントゥーは1875年パリに生まれた生粋のパリジャンの指揮者であるが、ライナーノートにもあるが、ジェローゾ四重奏団の一員としてブラームスの前で演奏し、その演奏を絶賛されたこともあり、それ以来こよなくブラームスを敬愛した指揮者とのこと。時代的に残された録音もモノラルが多いが、今回の録音はモントゥー最晩年の1962年(87歳)のステレオ録音で、オリジナルマスターテープから新たにマスタリングされ、SA-CD化は初とのことである。演奏は、何か特別な仕掛けがあるのではないが、丁寧で温かみがあり、音楽に包み込まれるような演奏で、盛り上がる終楽章も突っ走ることなく適度な緩急をもったテンポで進み、自然で豊かな余韻を持って終わる素晴らしい演奏である。録音も、弦が左右に大きく広がり、その背後にホルンをはじめとする管楽器がホール感を持って広がりとても自然な音場感が再現されている。各楽器は適度な響きを持ち分離よく奏でられている。演奏、録音ともに素晴らしい名演である。
評:JAS
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)山之内 正氏 3月の優秀録音盤
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)峰尾 昌男氏 2月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌 (選者)原 雅明氏 2月の推薦盤
2018年1月10日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
情家みえ「エトレーヌ」CDアルバム UHQCD仕様
発売元:UAレコード
リリース日:2018.1.17
価格:¥2778+税
品番:UA-1001
聴きどころ
まさに新年早々素敵な贈り物が届きました。オーディオ評論家の潮晴男氏と麻倉怜士氏が立ち上げたウルトラアートレコードからの、記念すべきCD発売第一弾アルバムJAZZボーカル情家みえ「エトレーヌ」を紹介します。長年にわたるオーディオ評論歴のなかで、高音質音源の必要性重要性を説いてきた両氏の当然の帰結による作品で、録音制作にも非常なこだわりで挑んだ力作です。
ポニーキャニオンスタジオでの録音制作が両氏の創造性をより掻き立ててくれており、加えてレコーディングエンジニアにはハイレゾ録音の名手日本コロムビアの塩澤氏を、マスタリングにはポニーキャニオン能瀬氏を起用と、ライナーを見る限りこれ以上の布陣は考えられません。資料によるとマルチ収録のトラックアサインにドラムスに10トラックもおごるなど、完成させようとするサウンドの分離感確保に徹底的にこだわる姿勢が感じられます。プロツールズ192kHz/24bit PCMと2インチアナログによる24チャンネルマルチ収録に加え、DSD 11.2MHzでも収録音源全てをおさえるなど録音機器体制に万全を期しており、CD化に際してはPCMからのリミックス作業を経て44.1kHz/16bitマスタリングが施されています。
一切編集なしの緊張感みなぎる演奏といえども選曲がJAZZのスタンダードナンバーで聴きやすいのも好感で、潮氏がチョイスした30インチのキックドラムをフィーチャーした曲がハッとして光っていました。軽快なピアノサウンドと正確に刻まれたドラミング、その間を縫うように響くベース、それにのせて情家みえのファッショナブルな歌唱が展開されていく、オーディオサウンドチェックにも適した一枚です。
評:JAS