過去のおすすめソフト
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)峰尾 昌男氏 11月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌(選者)小野島 大氏 11月の推薦盤
2018年10月29日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
尾崎亜美 スーパーオーディオCDアルバム
尾崎亜美/ Shot
ハイブリッドレイヤーディスク仕様(完全限定生産ステレオサウンド販売品)
発売元:ステレオサウンド
リリース日:2018.10.31
価格:3,500円+税
品番:SSMS-023
尾崎亜美/ Air Kiss
ハイブリッドレイヤーディスク仕様(完全限定生産ステレオサウンド販売品)
発売元:ステレオサウンド
リリース日:2018.10.31
価格:3,500円+税
品番:SSMS-022
聴きどころ
ステレオサウンドから尾崎亜美のアルバムSA-CD化第二弾がリリースされます。先の二枚と同じくマスタリング作業はソニー・ミュージックスタジオ東京(乃木坂)、エンジニアは鈴木浩二氏。さっそく試聴レポートをお届けします。
アーティスト本人の全曲アレンジによる「Shot」を、プレーヤーにセットしながらライナーを読み進め、制作が内沼映二氏の手による録音と知りがぜん聴く気が沸いてきます。氏は藤圭子などのヒットナンバーを多く手掛けてきたスタジオ録音界の大御所で、カッコ良い音創りに定評あるエンジニアです。
全体を通して聴いて高橋真梨子や岩崎良美へ提供した4曲が含まれるためか耳なじみが良いアルバム。2曲目「ごめんねDarling」はオーバーダビングによる鈴木茂氏のギターカッティングやコーンセプション氏のSaxが効いた少しトリッキーさを感じる曲で、アルバムのアクセントになっています。オリジナル1981年のリリースはアナログLPレコードですからB面1曲目となる「It’s Easy If You Try」は、A面で聴いてきた楽曲イメージのオールクリアを主張するようなスリリングなサウンドで、英語歌詞にもチャレンジしています。ちょっと聴こえるグロッケンやコンガドラムのパーカッションをリズム感良く上手く鳴らしたいところ。続く3曲でアルバムカラーを決定付け、結びの楽曲になだれ込みます。クロージングナンバーに相応しい、絵巻物が、一つのショーが終わった後の余韻を漂わせる、とても印象に残るエンディングで、これはもう一度アルバムの頭から聴きたくなるアレンジです。
そしてジョージ・マッセンバーグ氏の録音「Air Kiss」は、アルバムをスーパーバイズした小原由夫氏によるプロダクションノートでも絶賛しているように、今回の尾崎亜美4タイトル中、最もSA-CDらしさが体現している仕上がりに。特に「Flash Back」での自身のボーカルとコーラスでの対比が、実に伸びのびと聴くことが出来て、さらにキーボードProphetによる温度感あるサウンドが全体を美しく支えており、聴き応えある作品に仕上がっています。
評:JAS
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)福田雅光氏 10月の優秀録音盤
株式会社音楽出版社 CDジャーナル誌(選者)藤本 国彦氏 10月の推薦盤
2018年9月25日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
尾崎亜美 スーパーオーディオCDアルバム
尾崎亜美/ HOT BABY
ハイブリッドレイヤーディスク仕様(完全限定生産ステレオサウンド販売品)
発売元:ステレオサウンド
リリース日:2018.9.28
価格:3,500円+税
品番:SSMS-020
尾崎亜美/ POINTS-2
ハイブリッドレイヤーディスク仕様(完全限定生産ステレオサウンド販売品)
発売元:ステレオサウンド
リリース日:2018.9.28
価格:3,500円+税
品番:SSMS-021
聴きどころ
ステレオサウンドから80年代に日本のポピュラーミュージックを牽引していた尾崎亜美のアルバムがスーパーオーディオCDハイブリッドレイヤーディスクとして4タイトル企画されました。シンガーソングライターとして1976年に東芝EMIからデビューし活動歴は40年を超えていますが、杏里に提供した「オリビアを聴きながら」(1978年)などで彼女の名前は一躍トップに躍り出ます。
さっそく発売が先行している2枚を聴いてみました。共にキャニオンレコードに移籍後の作品で、ポップなサウンドに乗った歌声が持ち味のアルバム。洋邦問わず80年代ポップスやロックの音楽シーンでは最低音をキックドラム(バスドラム)が基本を固め、その上の帯域にエレキベースがうねりながら進行するサウンドが主流になっており、2枚も正しく王道。このサウンドバランスは現在のポップシーンに脈々と連なり、応答性の良いスピーカシステムで気持ち良く鳴らしたいポイントでもあります。「HOT BABY」はあのTOTOのメンバーも動員されてのロサンゼルス録音で、ウエストコーストサウンドのリズム感がピタっと合っている演奏に対峙しながら、少し緊張気味にそしてぐっと背伸びしているに違いない尾崎亜美のボーカル聴こえます。一方の「POINTS-2」はリリースした当時のツアーメンバーによるバック演奏によって、気のせいだけではなくリラックスしながら録音に臨んでいる彼女のボーカルを聴くことができます。どちらも尾崎亜美の歌声の実力を見せつけられますが、気合のロサンゼルス録音ではボーカルにエフェクターを載せるなどのチャレンジも取り入れられ、特に2枚の違いが際立っています。オリジナル発売のLPレコードを楽しんでいたポップスファンでも、DSD変換されたマスタリングによって新しい尾崎亜美の魅力を再発見することでしょう。
アルバムをスーパーバイズした小原由夫氏によるプロダクションノートの解説を参考にして、マスタリングスタジオで展開されていたであろうサウンドを想像しながら、2枚のアルバムを交互に聴きオーディオシステムを入念にチェックすることをお勧めします。
評:JAS
株式会社音楽之友社 ステレオ編集部(選者)山之内 正氏 9月の優秀録音盤
2018年8月9日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
井筒香奈江Laidback2018 (DSD11.2MHz/1bit Direct 2CH ver.)
「雨の鼓動」「サクセス」「You Are So Beautiful」3曲ミニアルバム
発売元:JellyfishLB
リリース日:2018.8.7
価格:¥1500+税
配信:DSF 11.2MHz/1bit(e-onkyo music)
聴きどころ
オーディオ協会監修 井筒香奈江Laidback2018(品番:AD-2 30cm LPアナログレコード/JAS直売品)の元素材DSD11.2MHzがリリースされました。この作品は通常CDアルバムとPCMハイレゾ音源として5月16日にリリースされており、オーディオファンの間でも「今までのアルバムとは世界観が違う」「素晴らしい!」と言った評価で、これまで以上に人気も高まっていると聞きます。
発売タイトルにもあるように1bit Direct 2CH versionで、このファイルがリリースされたことには大きな意味があります。それはさかのぼること36年前にデジタル音楽メディアとしてCDが登場した時の、デジタル臭い、アナログ最高、といった論争から始まった、オーディオの先人たちが自身のオーディオ装置を調整していくにあたり、LPレコード用に調整するとCDはダメだ、CDを聴いて調整するとLPの音がつまらない、そんな話しにも完全な終止符を打つことができるからです。すでにAD-2を楽しんでいる方はお分かりと思いますが、45回転重量盤ということもあり、アナログでも音のフレッシュさ、つまり鮮度の高い井筒香奈江サウンドを聴くことができます。DSD11.2MHz再生もAD-2 LPレコードの再生も‘同じ鮮度を保持した音’なので、特にアナログの再生環境、プレーヤーシステムやカートリッジの見直しなどによって、音調を合わせたオーディオ装置にコンデションを合わせることが可能なのです。
しかもその元になっているDSD11.2MHzは、Laidbackのメンバーがスタジオ収録した際のバランス用モニター音が、ダイレクトにアナログからDSDに変換されたもの。たった一度だけAD変換されマスターに取り込まれたファイルがそのままダウンロード出来て、アーティスト井筒香奈江がスタジオでモニターしていたサウンドを手に入れられる贅沢を堪能しましょう。
(音源の制作過程のレポートはすでに発行済のJASジャーナルを参照頂きたい。)
評:JAS