2016年3月23日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
聴きどころ
類家心平T5Jazzから二作目のアルバム。一作目は足の踏み場も無いくらい小さな小屋でのライブ収録でメンバー五人の息吹と意気が濃密なサウンドに溶け込でいたが、今回は同じメンバーでのスタジオ収録。手元資料によるとPCM96kHz/32bit録音とあるので早速ハイレゾファイルで試聴してみた。アルバムタイトル曲「Unda」とTr2「Haoma」とハイレゾ収録の効果でドラムスの特に金物系のシンバルやカウベルなどが距離感を確保しながらもクリアな音にいきなり驚く。類家のトランペットを競うようにリズムを刻むライドの粒立ちが素晴らしい! Tr6「Danu」は歪系の作品で音作りには好みが分かれるところだがハイレゾで聴く抜けの良いディストーションは心地よく響いてくる。
Tr9「Kyphi」は唯一のアコースティックギター曲でピアノとのコンビネーションがあまりにも普通の演奏に成りきらずに良いが、続くTr10「Pirarucu」のスローナンバーで類家の艶ある音色が光っている。この辺りが聴きどころである。
大作と小品が程よくミックスされた十の作品で計算されつくした切れ味あるアルバムに仕上がった。
評:JAS