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JASジャーナル目次
2025winter
音の日2024報告
日本オーディオ協会 事務局 八木真人
2024年12月6日、東京・神田のKANDA SQUARE(神田スクエア)において、「音の日2024」が開催されました。
主催者を代表して、小川会長から「今年は、ReC♪STが10回目、プロ録が30回目となる記念すべき年になりました。ここまで回数を重ねることが出来ましたのも、多くの関係者の皆様方のご協力、お支援のお陰と感謝申し上げます。また、会場をここKANDA SQUAREに移して以降、この場にたくさんの若い人たちが参加してくれたり、そして幅広い関係者の皆様のコミュニケーションが盛んになったりと、モダナイゼーションも進み、音の日のイベントが『冬の風物詩』として定着してきたと思います」と挨拶されました。
第10回 学生の制作する音楽録音作品コンテスト 表彰式
表彰式に先立ち、第1回から今回の第10回のコンテストにおいて、審査員を務められました、東京藝術大学・亀川徹先生、名古屋芸術大学・長江和哉先生、並びに事務局を勤められました日本オーディオ協会職員・村松俊次氏に、感謝状と花束が小川会長から手渡されました。
第10回を迎えたReC♪ST(読み:レックスタ)「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」は、過去最多の14校63作品の応募がありました。その作品の中から8名の受賞者の表彰式を行いました。審査員を代表して、日本工学院専門学校・我妻拓先生から受賞者一人一人にお祝いの言葉と作品への講評が述べられました。最優秀賞の川上茉莉さんの作品『夢で待ち合わせ』については、満点の出来だったと高く賞賛されました。
さらには、新型コロナウィルス感染拡大の影響で授賞式が行えなかった2021年度 第7回ReC♪STの受賞者への表彰式も今回行われました。
第7回ReC♪ST 表彰式 受賞者の池田翔さん、伊東桜佳さん
第30回 日本プロ音楽録音賞 表彰式
第30回の表彰式の開催に先立ち、日本プロ音楽録音賞運営委員会・委員長の高田英男・日本音楽スタジオ協会常任理事から、次の4名が特別功労者として紹介されました。中島平太郎氏(「音楽&オーディオ」の業界で讃える賞としての「プロ音楽録音賞」を形作られた)、菅野沖彦氏(アコースティック録音を中心に現在の審査の基盤を作られた)、冨田勲氏(新しいサウンドを生み出し、現在のイマーシブ部門にもつながる土台を作られた)、浅見啓明氏(放送部門の審査を長年担当された)。
また、長年に渡り、日本プロ音楽録音賞の運営を推進して来られました内沼映二氏、椎名和夫氏にも特別功労賞が、これまで最も多くの受賞回数を誇る塩澤利安氏(日本コロムビア株式会社)には第30回記念顕彰ベストエンジニア賞が贈られました。
今年のニュープロミネント賞は、久志本恵里さん(日本コロムビア株式会社)、田宮空さん(株式会社ミキサーズラボ)に与えられ、内沼映二・日本音楽スタジオ協会名誉会長より、今後のご活躍を大変期待しておりますとのコメントがありました。
音の匠 顕彰式
2024年の「音の匠」には、鹿島建設「OPSODIS」立体音響プロジェクトチームを顕彰しました。
顕彰理由:サウサンプトン大学と共に開発した立体音響技術「OPSODIS」を、ホール設計の事前音響シミュレーションに用いただけでなく、民生用オーディオ機器にも応用された。建設業界が開発した技術で、より多くの人に良い音で音楽を楽しむ文化を広められており、長年の研究の成果にも敬意を表し、「音の匠」として顕彰いたします。
顕彰式の後、プロジェクトチームを代表して鹿島建設の村松繁紀氏より、同社の「音の建設」技術の歴史やOPSODIS研究開発ストーリーの講演をしていただきました。「コンテンツ制作・販売事業者・配信事業者・音響関連メーカーが“One Team”となって立体音響が広く親しまれる世界を構築したいと願っています」と最後にメッセージを述べられました。
今号のJASジャーナルにもOPSODISについて寄稿いただいておりますので、そちらもぜひご覧ください。
音の日2024 懇親会
18時半からは、音の日2024懇親会が開催されました。プロ録を主催している5団体の関係者だけでなく、日本オーディオ協会の会員の皆様や、ReC♪ST歴代受賞者など、所属先や年齢を超えた楽しい交流が行われました。まさにこちらも業界忘年会としての、冬の風物詩として定着してきたと思います。
また、「音の匠」の鹿島建設の「OPSODIS1」のデモや、東京電機大学オーディオ技術研究部の皆さんによる自作スピーカーのデモが行われ、オーディオ好きな方々が、デモの体験や感想を述べられるなどして、楽しまれていました。東京電機大学オーディオ技術研究部のスピーカー製作レポートは、こちら。
1時間半という時間があっという間に過ぎてしまうと感じるほど盛況のうちに終了いたしました。
第10回 学生の制作する音楽録音作品コンテスト 受賞者一覧(敬称略)
最優秀賞 | 川上 茉莉 尚美学園大学 |
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優秀賞 | 中村 颯汰 名古屋芸術大学 |
優秀企画制作賞 | 吾郷 友聖 HAL東京 日比 奏妙 名古屋芸術大学 |
優秀録音技術賞 | 錦織 百加 尚美学園大学 |
奨励賞 | 小松 美咲 HAL東京 田中 晴野 九州大学大学院 森内 慎之助 東京藝術大学 |
第30回 日本プロ音楽録音賞 受賞者一覧(敬称略)
Best Master Sound部門 クラシック、ジャズ、フュージョン
最優秀賞 「マーラー:交響曲第5番」より「マーラー:交響曲第5番より第2楽章」 アンドレア・バッティストーニ 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 |
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発売元:日本コロムビア株式会社 96kHz/24bit 2ch
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優秀賞 「FINAL FANTASY Ⅶ REBIRTH Original Soundtrack」より 「ギ・ナタタク」 島翔太朗 植松伸夫 |
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発売元:SQUARE ENIX CO., LTD. CD
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Best Master Sound部門 ポップス、歌謡曲
最優秀賞 「配信シングル」より「Sweetest Tune」 Travis Japan |
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発売元:ユニバーサル ミュージック合同会社 44.1kHz/16bit 2ch
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優秀賞 「配信シングル」より「Sunset Girl」 I Don’t Like Mondays. |
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発売元:AVEX MUSIC CREATIVE INC. 96kHz/24bit 2ch
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Immersive部門
プログラミング・サウンド 最優秀賞 「天球の音楽 ミュージック・オブ・ザ・スフィア ― イマーシブ・クラシック」より 「メタモルフォシス Ⅰ 〜2台のピアノのための〜」長谷川慶岳(作曲)、後藤友香理(ピアノ) |
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発売元:スチュディオ・エクレール 360 Reality Audio
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アコースティック・サウンド 最優秀賞 「スキマスイッチ「Anniversary EP」」より 「ボクノート ~for 20th Anniversary with Orchestra~」 スキマスイッチ |
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発売元:ユニバーサル ミュージック合同会社 360 Reality Audio
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アナログディスク部門
最優秀賞 「MIXER’S LAB SOUND SERIES Vol.4」より 「小さな花」 角田健一ビッグバンド |
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発売元:株式会社テイチクエンタテインメント 30cm 33・1/3回転
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優秀賞 「JOHN WILLIAMS IN TOKYO」より 「THRONE ROOM & FINAL」 JOHN WILLIAMS / SAITO KINEN ORCHESTRA |
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発売元:ドイツ・グラモフォン/ ユニバーサル ミュジック合同会社 30cm 33・1/3回転
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カッティング・スタジオ賞 |
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スタジオ賞
「スキマスイッチ「Anniversary EP」」より 「ボクノート ~for 20th Anniversary with Orchestra~」 スキマスイッチ |
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「スキマスイッチ「Anniversary EP」」より「MIXER’S LAB SOUND SERIES Vol.4」より 「小さな花」 角田健一ビッグバンド |
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ニュー・プロミネント賞
「わたしを束ねないで」より 「ロジャー・クィルター「3つのシェイクスピアの歌」Op.6より第2曲:愛しい人よ」 上村誠一(カウンターテナー) |
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「堕楽」より「GAMESET」 Cena |
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放送部門 2chステレオ
最優秀賞 「東寺音舞台」より「What’s My Name?」 MIYAVI 他 |
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毎日放送 HDTV stereo 2023年11月12日放送
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優秀賞 「ライブ・エール2024」より 「acacia [アカシア]」 松任谷由実 |
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日本放送協会 HDTV stereo 2024年5月4日放送
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放送部門 マルチchサラウンド
最優秀賞 「プレミアムシアター / 歌劇「ばらの騎士」」より 「R.シュトラウス 歌劇「ばらの騎士」より第2幕」 歌:八木寿子(オクタヴィアン)、石橋栄実(ゾフィー) 演奏:京都市交響楽団 指揮:阪哲朗 |
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日本放送協会 HDTV 5.0ch 2024年6月10日放送
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優秀賞 「クラシック音楽館 / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演」より 「ブラームス作曲 交響曲第4番 作品98」 |
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日本放送協会 HDTV 5.0ch 2024年1月14日放送
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ベストパフォーマー賞
アーティスト : 角田健一ビッグバンド |
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「BIGBAND SUPREME」より「シボネー」 ※Best Sound部門(クラッシック、ジャズ、フュージョン)エントリー作品 |