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2024autumn
JASインフォメーション
2024年度 第2回 理事会/運営会議 報告
2024年9月24日(火)、2024年度 第2回 理事会/運営会議が開催されました。
理事会
第1号議案:新入会承認の件
以下の法人の入会、ならびに、個人会員5名の入会が承認されました。
– 法人正会員:Zhejiang Smart Intelligence Technology、Shenzhen Houshunxia Technology
運営会議
以下の報告、審議がされました。
(1)OTOTEN2024報告、OTOTEN2025に向けて
(2)オーディオ体感WG 活動報告
(3)音の日に向けて
・「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」 報告
・「音の匠」選考委員会 報告
(4)その他
スピーカー工作教室 見学の件
小学生の夏休み真っ只中である8月3日、「かわさきサイエンスチャレンジ」という小学生向けのイベントの中で行われました<本格スピーカーをつくって“音”を学ぼう!>を取材させていただきましたので、紹介したいと思います。
川崎市高津区にある、かながわサイエンスパーク(KSP)で行われた、「かわさきサイエンスチャレンジ」というイベントは、ものづくりや体験を通して、子どもたちの科学の芽を育てていこうという主旨で毎年行われており、今年で19回目の開催になるとのこと。川崎市にある企業や大学をはじめとした、たくさんの団体が協賛しており、例えば警察署の方が指紋採取の体験をさせてくれるような、なかなかワクワクさせるセッションもあり、全部で25の講座が用意されていました。
さて、弊協会の法人会員であるフォスター電機様から「<本格スピーカーをつくって“音”を学ぼう!>という講座に協力しているので、ぜひ取材を!」とのお誘いをいただきました。講座の主催者はKSPの音響設備を納入されておられる(株)東和エンジニアリング様ですが、フォスター電機の玉置さんと一緒に、講座を運営されていました。
対象は、小学校1年生から6年生だそうで、午前と午後と2回開催されて、各々15人が参加していましたが、申し込みは700人を超えていたそうで、すごい人気のある講座であることが分かります。基本的に玉置さんが先生となって進めておられました。これまでに同様な講座を、累計1800人くらいにやってきておられるとのことで、話し方も上手だし、しっかりと子どもたちを引き付ける技の数々が印象的でした。
左からフォスター電機・玉置裕太様、
東和エンジニアリング・五味川淳司様、平英之様
冒頭に、「家にスピーカーがある人!」と子どもたちに挙手を促すと、半分くらいの子の手が挙がりました。ちょっと驚きました!「どんなスピーカーが家にあるの?」と玉置さんが子どもたちに尋ねると、家にステレオシステムがあるという子がいたり、パソコンの脇にスピーカーが置いてありますという子もいたりしました。みんな元気に答えていました。
ここで、玉置さんが、「他にも皆さんの身のまわりに、目に見えないところにたくさんのスピーカーが存在しているんだよ!」と話を始めます。「テレビから音が聞こえるのは、テレビにスピーカーが入っているからなんだ!スマートフォンやゲーム機にもスピーカーが入っているし、お風呂が沸きましたと言って知らせてくれるパネルにも、スピーカーが入っているんだよね!」
「ところで、スピーカーって、触っちゃうと凹んだりするから、ぜったい触っちゃダメなんだけど、今日は特別に触らせてあげるから、ちょっと前においで!」と子どもたちを呼び寄せます。音楽がなっているスピーカーのコーン部に手を当てると、ぶるぶる震えているのを感じて、子どもたちがキャーキャーと喜びます。ここで、じゃあこの音はどうかな?と33Hzの正弦波を鳴らしながら手を当てさせます。ボーーという音に、おー!といった顔に。続いて100Hz、1,000Hzと周波数を変えていくと、子どもたちがキャッキャキャッキャと喜びます。10,000Hzを超えて大人たちには聞こえない15,000Hzにもなると、ウルサイ!ウルサイ!と走り回ります。
そして、この体験を終えて子どもたちが席に着いた時に、玉置さんが言います。「子どもの時に聞こえる音が大人になると、老化と言ってみんな聞こえなくなるものなんだけど、実は子どもの中にも大きな音を聴き過ぎて、音が聞こえなくなってしまう若年性難聴というものが最近とても増えてきています。皆さん、あまり大きな音を聴き続けないようにして耳を大事にして下さいね!」と啓発されていました。素晴らしい言葉であり、ちゃんと子どもたちの心に届いているといいですね!
いよいよ組み立てを始めます。玉置さんが見本として組み立てている様子がモニターに映し出されますので、それを真似て組み立てます。フォスター電機で商品に使えるレベルの本格的なスピーカーユニットがキットとして用意されており、組み立て手順は、コーン部分にコイルや金属パーツとをボンドで接着するのですが、みんな真剣に取り組む姿は、なんだか微笑ましいですね。
組み立てが完成したら、玉置さんのところに持って行って、プレーヤーやアンプにつないでもらって音確認!音楽が聴こえてくるとご満悦な顔がなんとも可愛い。ボンドの量が偏りなく接着できている子の完成品は、深みのある音がしたりして、そういうバラツキが出るところも、オーディオらしさだなぁと思いました。みんなちゃんと音が出ていて、素晴らしい!拍手パチパチ♪
このキット、良く出来ていて、梱包されていた箱の天面に切れ込みが入れられた丸を繰り抜いて、完成させたキットを入れますと、なんとエンクロージャーになるというオシャレな設計、素晴らしい!
イベントが終わり、帰り際に、楽しかった!と言ってくれる子どもたち、そして、勉強になりました!と言って頭を下げられた保護者の方々がたくさんいて、素敵な時間だったなと改めて感じさせられました。
この度はお招きいただき、ありがとうございました。いい夏の思い出となりました。
かながわサイエンスパーク(KSP)について
「研究開発型の企業が生まれ育ち、交流する拠点」というコンセプトで1989年に開設された施設であり、川崎のベンチャー企業の支援の場にもなっているそうで、少し前の言葉で言うスモールオフィス、今風に言うコワーキングスペースが揃っていました。また、建物内には神奈川県立川崎図書館があったので立ち入ってみたら、人文系の本は一切なく、サイエンス系の本ばかりが揃えてあることと、企業の社史やそれに類する資料がたくさんあるという、興味を持ってしまうとなかなか抜け出せなくなる面白い場所でした。