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2023winter
音の日2022の報告
日本オーディオ協会 専務理事 末永信一
2022年12月6日、<音の日2022>が東京・お茶の水のKANDA SQUARE(神田スクエア)で開催されました。従来は別々の部屋で行われていた各イベントを一つの部屋で統一的に行うことよって、音に関わる団体が一緒になって「音の文化」を訴求するという、ようやく求めてきたスタイルの「音の日」になりました。本稿では、音の日2022の内容と会場の様子などを報告いたします。
KANDA SQUARE(神田スクエア)は、東京電機大学の跡地に2020年に完成したばかりの商業施設ですが、2階にはコンサートもできる立派なホール(SQUARE HALL)があり、そこを会場として音の日2022が開催されました。
主催者挨拶
日本オーディオ協会・小川理子会長より、オーディオ協会創立70周年の紹介と感謝の気持ちが述べられ、また今回の音の日が、ようやく音に関わる団体が一緒になって祝う姿になったことを、心より喜びたいとのコメントがありました。「「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」の延長線上に「日本プロ音楽録音賞(プロ録)」があり、ここに居る学生さんたちが立派なエンジニアとして巣立ち、将来またこの会場に来て、プロ録の賞を獲るような人たちになってもらえたら嬉しいです」と期待の言葉を述べられました。
続いて、日本音楽スタジオ協会・高田英男会長より、「ようやく学生さんが制作した録音作品を聞かせていただける日が来ました。今日は楽しみにしています。ここに居る学生の皆さん達には、ぜひプロの一流の作品に触れて、将来目指す姿として目に焼き付けていただきたいし、一方でプロの皆さんは将来仲間になる学生を応援する気持ちになって、みんなで「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」と「日本プロ音楽録音賞」のそれぞれの表彰式をお祝いして下さい」と述べられました。
第8回 学生の制作する音楽録音作品コンテスト 表彰式
表彰式の様子
小川会長から、受賞者一人一人に表彰状が渡されました
会場では、受賞した作品が流され、受賞者から工夫した点などがコメントされました。
審査員を代表して、音響芸術専門学校の見上洋一郎学校長から総評を頂きました。 冒頭、「このコンテストの受賞者だけなく、応募した皆さんに、おめでとうございます!とお祝いの言葉を述べさせていただきます」と、チャレンジした学生の皆さんにその大いなる意義と労いの言葉を投げかけられ、続いて受賞された一つ一つの作品についての感想や的確なアドバイスをいただきました。
第28回 日本プロ音楽録音賞 表彰式
内沼映二・運営委員長より、3年ぶりにリアル開催できたこと、新しい会場で気分を新たに表彰式を開催できることへの喜び、審査に関係された皆さんへの労いの言葉がありました。
会場では、受賞した作品が流れ、関係団体代表者から受賞者に表彰状が渡され、また審査員から講評が述べられました。
音の匠 顕彰式
音・音楽・オーディオを通じて、卓越した技能を持ち、文化創造や社会貢献をされた方々を、毎年音の日にあたり「音の匠」として顕彰しております。2022年は、ピアニスト・反田恭平氏を「音の匠」として顕彰しました。
最初に、音の日委員長であり、音の匠選考委員会・委員長でもある岩崎初彦副会長から、「音の匠」の選考基準や選考委員会メンバーについての紹介があり、以下の選考理由により、反田恭平氏に決定したことが説明されました。
選考理由
表現や音楽技術を科学技術の力で可視化・伝承する研究に参画され、また日本初の株式会社形式のオーケストラを設立されるなど、常に広い視野を持ち、積極的な活動に取り組まれ、将来的には音楽学校設立の構想があり、今後の活躍が大いに期待される。
ショパン国際ピアノコンクールで優秀な成績を収められた背景には、才能や人並ならぬ努力に加えて、肉体改造などのユニークな取り組みを実践された効果も高いと考えられる。
クラシック音楽を愛するオーディオファンや、将来音楽家を目指すたくさんの若者たちに、明るい未来を見せていただいたことに感謝し、「音の匠」として顕彰いたします。
ここで会場に来られなかった反田恭平さんのビデオメッセージが流されました。
「みなさん、こんにちは、反田恭平です。まずは12月6日の音の日に会場に参加できないことをお詫びいたします。そして大変光栄なことに、「音の匠」という賞を頂けるということで、非常に恐縮しておりますが、この賞に恥じないように、これからもクリエイティブな活動を展開し続けていけたらなと思っております。反田恭平ならびにジャパン・ナショナル・オーケストラであったり、学校であったりと、いろんなところで注目していただけたらありがたいです。
ショパン国際ビアノコンクールは5年に一度の大会ですので、オリンピックと同じような、言うならば私はサッカー選手になりたかった人間ですから、ちょうどワールドカップと同じようなものかと思いますが、数年に一度しか行われない国際大会は、一番のチャレンジングでしたし、人間としても成長できた機会でした。
今後の展望ですが、コンクールで勝ち取った仕事であったり、キャリアを広げたり、そしていろんな国で弾きたいと思いますし、自分のオーケストラを連れていきたいと思っています。少しずつ教えるということにも携わらせていただいており、またまたどんどんやりたいことが増えていて、新しい目標も出来てきているので、そういった面でも応援していただけたらなと思っております。これからも反田恭平をよろしくお願いいたします」
また、小川会長が「音の匠」の盾を手に、反田恭平さんに向けて「反田さん、「音の匠」の受賞、おめでとうございます。若い人たちが堂々と世界で活躍していることを本当に嬉しく思います。クラシックを愛する日本の皆さんを元気にしていただいて、しっかりと音の力の素晴らしさを感じました。まさに反田さんは「音の匠」に相応しい方だと思います。いつかお目に掛かり、いろんなお話を聞かせていただきたいと思っています。そんな日が来ますことを楽しみにしています。ますますご活躍ください!」とメッセージを送られました。
日本オーディオ協会創立70周年記念 功労賞 授与式
以下7名(敬称略)に、功労賞が授与されました。
- 校條亮治
長年にわたり、会長職に貢献されました。 - 岸原孝昌
長年にわたり、理事職に貢献されました。 - 畑陽一郎
長年にわたり、理事職に貢献されました。 - 山﨑芳男
音の匠選考委員として貢献されました。 - 内沼映二
日本プロ音楽録音賞運営委員長として貢献されました。 - 千葉精一
学生の制作する音楽録音作品コンテスト初代審査委員長として貢献されました。 - 佐伯多門
「スピーカー技術の100年」を執筆され、オーディオの歴史をしっかりとまとめられた。
音の日 懇親会
18時から1時間、KANDA SQUAREのホワイエにおいて、懇親会が開催されました。音の日のイベントの開催が3年ぶりということもあり、再会を喜ぶ笑顔がたくさん見られました。今回から過去のコンテスト受賞者もお呼びしたことで、学校の先輩後輩という出会いがあったり、また、学生とプロの交流も盛んに行われていました。
日本音楽スタジオ協会・高田英男会長による
乾杯のご発声
会場の雰囲気
小川会長によるピアノ演奏で、
創立70周年の記念イベントが盛り上がりました
長岡理事から、2日前に誕生日だった小川会長に
赤いワインのプレゼント贈呈
以上が音の日2022の、とても楽しく有意義な一日でした。
第8回 学生の制作する音楽録音作品コンテスト 受賞者一覧(敬称略)
最優秀賞 | 倉持 瑞生 九州大学大学院 |
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優秀企画賞 | 大塚 晶史 HAL東京 曽根 万鈴 音響芸術専門学校 |
優秀音楽賞 | 黒坂 祐貴 HAL東京 |
優秀録音技術賞 | LAI JINGCHENG 洗足学園音楽大学 |
奨励賞 | 古田 晏悠 名古屋芸術大学 藪本 萌子 大阪芸術大学 |
第28回 日本プロ音楽録音賞 受賞者一覧(敬称略)
Best Sound部門 クラシック、ジャズ、フュージョン
最優秀賞 「PIAZZOLLA」より「鮫」 |
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優秀賞 「(THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU」 |
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Best Sound部門 ポップス、歌謡曲
最優秀賞 配信シングル「Baby I love you so」 |
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優秀賞 「LOVE’S ON FIRE」 |
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~35歳以下の部~ 優秀賞 配信シングル「ARROW」 |
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~35歳以下の部~ 優秀賞 「One Day」 |
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Super Master Sound部門
最優秀賞 「Save the Last Dance for Me (Cover)」 |
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優秀賞 「Sing Sing Sing」 |
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Immersive部門
最優秀賞 「Jasmine」 |
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優秀賞 「ずっと、、、」 |
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アナログディスク部門
最優秀賞 「You’ve changed」 |
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カッティングスタジオ賞 |
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スタジオ賞 |
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放送部門 2chステレオ
最優秀賞 「ようこそ新宿」 |
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優秀賞 「東京フラッシュ」 |
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放送部門 マルチchサラウンド
最優秀賞 「池辺晋一郎作曲 「琉球幻想」」 |
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優秀賞 「ハイドン 交響曲第100番「軍隊」第2楽章」 |
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ベストパフォーマー賞 「LOVEBEAT」 |
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