PCMのサンプリング周波数(サンプリングレート)と周波数特性/歪み率
読み方 : パルスコードモデュレーションノサンプリングシュウハスウトシュウハスウトクセイ/ヒズミリツ
用語解説
アナログ信号を正確にデジタル信号として記録し、再現するには、その音の周波数の倍の周波数で標本化・サンプリングする必要があります。CDで採用されているサンプリング周波数は44.1kHzなので再生可能な周波数の上限は理論上22.05kHzで、サンプリング周波数96kHzでは理論上48kHzといった高い周波数帯域まで記録・再生できます。
元となる信号の再現性に着目してみます。一例として6kHzの信号に対するサンプル数Nは以下のようになります。
fs=48kHz N=8
fs=96kHz N=16
fs=192kHz N=32
Fig 3にサンプル数による効果の違いです。48kHzと192kHzとではD-A変換出力波形の階段状のステップの粗密の違が一目瞭然でサンプル数が多いほど元となるアナログ信号を表現することに有利であることが判ります。サンプル数が多いほど量子化ノイズが減り音の再現性が優れていると言えます。このことは音が良いハイサンプリングのキーワードでもあります。
もう1つは、デジタル、アナログの両領域でのローパスフィルタ(LPF)による過渡応答特性と位相特性の改善があげられます。Fig 4は矩形(くけい)波などのステップ応答特性におけるオーバーシュート/アンダーシュートの例で、LPFのカットオフ周波数が高く設定できることでこれらの量は少ないことが判ります。