- スピーカーをどのように配置したらいいのでしょうか?
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ホームシアターでは正しくスピーカーを置くことで、音の移動感や、包囲感、臨場感が高まり作品の意図をより理解しやすくなります。
映画の場合と音楽や放送の場合では製作環境や想定される再生環境が異なりますので厳密にはそれぞれに合った置き方が望まれます。ブルーレイ(BD)やDVDに収録された音声は、前方3チャンネル、後方2チャンネルにサブウーファー(LFE)を加えた5.1チャンネルでの再生を想定して作られており、この配置を基本とします。現在は、下図ITU-R BS.775-1で決められた距離や角度などのスピーカ配置を基準に製作されており、理想としては家庭でもこれを実現することが望まれます。しかし、現実には家庭でこれを実現することは難しく、スピーカーと視聴者の距離についてはAVアンプにより補正(ディレイ機能)をすることで実現します。リアスピーカーの角度については図のように幅がありますので厳密では有りません。スピーカーの高さについては、前方は耳の高さを推奨しますが、リアスピーカは明確な規定は有りません。前方より高めの設置が効果的です。
- 部屋の遮光はどうすればよいですか?
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窓からの外光対策としては遮光カーテンが有効です。遮光カーテンにはJIS規格で1級から3級までの等級があります。1級は人の顔の表情が識別できないレベル、2級は人の顔や表情が判るレベル、3級は人の表情は判るが事務作業には暗いレベルとあります。完全に遮光したい場合には1級の遮光カーテンを使用しますが、窓の造りやカーテンレールの取り付け方によっては、光が漏れてしまいますので、設置の際には注意が必要です。戸建て住宅で窓にシャッターの雨戸がついている場合は、この雨戸を閉めるのもひとつの方法です。もちろん完全に遮光は出来ませんが、周りの状況やプロジェクターの種類によっては、支障のない程度の暗さを確保できることがあります。
- 配線が部屋の中を這うのがみすぼらしいので対策はありませんか?
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新築の場合であれば、あらかじめ壁の中に配管を通しておいたりもできますが、既存住宅の場合ですとなかなかそうもいきません。床に絨毯やカーペットを敷いている場合には、それらの下に配線を隠してしまうこともできますが、フローリングの場合にはモール(ケーブルを隠してすっきりと配線する樋のようなもの)による隠蔽処理が一般的といえます。なるべく目立たないように、天井配線であれば回り縁(天井と壁の接続部にまわす部材)に沿わせて、床配線であれば幅木(床と壁の接続部にまわす部材)に沿わせて同色のモールで隠蔽処理をします。デザイン性の高い幅木形状のモール等も市販されていますので、それらを利用すればよりスマートに配線を収納できます。またメーカーが限定されてしまいますが、リアスピーカーへの信号を無線で飛ばすものもありますので、そのような機材でシステムを組むのもひとつの方法です。
〔 参考HP 〕
http://panasonic.jp/theater/soundset/zt2/
http://panasonic.jp/theater/option/fx70_fx60/index.html - 主に夜中に楽しみたいです。隣近所に響きにくいもの、もしくはそれなりの対策が出来るものは?
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夜中は昼間よりも交通騒音や生活騒音が静かですから、昼間は気にならない音量でも夜中ではとても気になることがあります。特に上下左右が隣戸と接しているマンションではより顕著になりますので、部屋の外に音が漏れないようにしなければなりません。隣近所に迷惑にならないようにするには、サブウーファーの低音まできちんと遮音しなければなりませんので、部屋の中にさらに周囲と絶縁された部屋を造る防音工事が必要になります。但し、防音工事をすることにより、建物本体の床にかかる荷重が大きくなってしまいますので、構造的に問題がないかどうか注意が必要です。またサブウーファーの重低音については、遮音が非常に難しいので完全に遮音しきれないこともありますので、この点にも注意が必要です。サブウーファーによっては床への不要な振動を低減するものもありますので、それを選択するのも一案です。
〔 参考HP 〕
http://ctlg.panasonic.jp/product/points.do?pg=05&hb=SB-WA800 - 音がぼわんぼわんして聴きづらいです。何か対策はありませんか?
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まずはサブウーファー等のスピーカーの音量が適正レベルよりも大きくなり過ぎていないかを確認してみてください。適正音量にしても改善されない場合は、部屋に音を吸音するものがほとんどなく音が響き過ぎていること、もしくは部屋の縦・横・高さの比率が悪いことによる低音の吸音不足(中高音よりも大きく響いて、低音域の響きがこもって聞こえる現象)等が原因であると考えられます。床に絨毯を敷いたり、カーテンを厚手のものに変えたりすることによって、ある程度の改善は期待できます。市販されている吸音体を音のエネルギーがたまりやすいコーナーに設置したり、吸音パネルを壁に掛けてみるのもよいでしょう。ただ、低音域の音に対しては改善効果が現れないこともありますので、その場合には音響工事会社やカスタムインストーラーに相談してみてはどうでしょうか。
〔 参考HP 〕
http://www.nea-ltd.com/sound/product/onkyo.html
http://www.sumu2.com/top/wake/2004_7/ - 防音工事は必要ですか?
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普通の音量で楽しむのであれば必要はありません。しかし、上下左右が隣戸と接しているマンションにおいては、コンクリート躯体等の建物本体を通して音が伝わっていきますので、深夜等は要注意です。防音工事には音をさえぎっておとす「遮音」と、音の反射・反響をふせいでおとす「吸音」の二つの面がありますが、サブウーファーを設置し、ある程度の音量で楽しみたい場合には、この遮音をしっかりしておかないと隣戸との間で問題になる可能性がありますので、防音工事は必要であるといえます。基本的に防音工事は、重量のある材料で部屋の廻りを隙間なく囲うのですが、遮音の程度によっては、部屋の中にさらに周囲と絶縁された部屋を造ることになります。どの遮音構造(及び材料)を採用するかは、必要な遮音性能や建築本体の強度(床の耐荷重)などの条件によって決めていきます。
〔 参考HP 〕
http://sumai.panasonic.jp/cwf/bouon/knowledge/kiso03.html
http://www.nea-ltd.com/sound/sc/performance.html - 自宅で映画館のような大迫力を楽しみたいです。どこに相談すれば良いですか。ホームシアターにしてみようかと思うのですが、おおがかりな工事が必要ですか。
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映画館のような大迫力で楽しみたいとなると、やはり大画面・大音量で鑑賞したいものです。そうしますと防音や室内音響,AV機器の専門知識が必要になりますので、それらの知識や経験が豊富な音響工事会社やカスタムインストーラーと呼ばれる専門家に相談するのが良いでしょう。また大音量での鑑賞となりますと、廻りの環境によっては防音工事が必要になります。防音の程度によっては、部屋の中にさらに周囲と絶縁された部屋を造ることになりますので、約3~4週間程度の工事になることもあります。
〔 参考HP 〕
http://www.nea-ltd.com/sound/work/construct.html - そもそも5本もスピーカーがいるんですか?
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DVDやブルーレイに記録された映画や音楽は5.1チャンネル再生を想定して作られています。ホームシアターは5.1チャンネル再生で本来の迫力や感動が味わえます。一度その迫力を体験すると後戻りできなくなると言われています。手軽なホームシアターセットもマーケットに出回っていますので、是非5本のスピーカーを揃えてお楽しみ下さい。
〔 参考HP 〕
http://www.sony.jp/home-theater/beginner/index.html
http://panasonic.jp/theater/home_theater/study_02.html
http://pioneer.jp/hometheater/livingsound_sys/enjoy_bd.html - リアスピーカーを置く場所がありません。どうしたらいいですか?
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フロントサラウンド方式を採用したホームシアターが便利です。テレビラックに専用のアンプとスピーカーをセットした「ラックシアター」タイプや、テレビ下のスペースを有効に活用した「フロント一体型シアター」<バータイプ>など、リアスピーカーを設置しなくてもサラウンド感が得られるホームシアターがあります。また、小型のスピーカーを用いて壁や柱に吊り下げる方法もありますので、積極的にリアスピーカーを検討してください。
- フロントスピーカーは、テレビに内蔵されたスピーカーで代用できませんか?
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少し無理があります。やはり独立したスピーカーを使用するほうが本格的にホームシアターを楽しむことができます。設置スペースの関係から独立したスピーカーを用意できない場合はテレビラックに専用のアンプとスピーカーをセットした「ラックシアター」タイプや、テレビ下のスペースを有効に活用した「フロント一体型シアター」<バータイプ>をお奨めします。
〔 参考HP 〕
http://panasonic.jp/theater/theaterbar/htb50_10/index.html
http://www.sony.jp/home-theater/lineup/slim.html
http://pioneer.jp/hometheater/index.html
http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/theater/41ch_flont.html - センタースピーカーを置くところがありません。
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大丈夫です。AVアンプの設定によりフロント左右のスピーカーからセンタースピーカーの音を再生することができます。また、センタースピーカーを左右に振り分けたホームシアターシステムもあります。特に大型スクリーンを持ち込んだ場合はセンタースピーカーを設置するスペースの無いことがありますが、サウンドスクリーンと呼ばれる音透過タイプを用いればスクリーン裏側にセンタースピーカーを設置することが出来ます。
〔 参考HP 〕
http://panasonic.jp/theater/soundset/ht7000/index.html
http://www.sony.jp/home-theater/lineup/simple.html
http://pioneer.jp/hometheater/index.html#lineup
http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/theater/4ch_flont.html - ウーファーとサブウーファーの違いはなんですか?
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ウーファーとは低音域を受け持つスピーカーのユニットのことを言います。サブウーファーはウーファーが再生できる低音よりさらに低い重低音専用のスピーカーの名称です。映画では効果音としてのLFEを受け持ちます。
- サブウーファーは必要ですか? サブウーファーを置くところがないのですが、使わないでホームシアターを楽しむことはできますか。
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なるべくサブウーファーを使うことをお奨めします。5.1チャンネルのサラウンド方式にはLFE(低音効果)というチャンネルがありサブウーファーを用いて再生します。特に映画の迫力はこの低音の再生能力に依存するシーンが沢山あります。視聴者の真後ろにサブウーファーを置く方法もありますので、置きたいけれども前に場所が無いときには有効です。サブウーファーを用意出来ない場合はAVアンプの設定により、フロント左右スピーカーからLFEチャンネルを再生することができます。
〔 参考HP 〕
http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/hifi/sx-dw77/index.html
http://pioneer.jp/homeav/knowledge/detail_5_16.html - パソコン用のスピーカーでホームシアターはできますか?
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条件付ですができます。パソコン用スピーカーにはアンプを内蔵しているものが多く、ブルーレイディスク(BD)プレーヤーや DVDプレーヤーの音声アナログ端子から接続することで音声再生が可能です。5本揃うとサラウンド再生も出来るのですが、同時に音量調整するのに難点があります。
〔 参考HP 〕
http://www.sony.jp/active-speaker/lineup/2_1ch.html - ホームシアター用のスピーカーは普通のスピーカーと何が違うのですか? ホームシアター向き不向きはありませんか?
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向き不向きはありません。個々のスピーカーに求められている能力はアンプから送られた信号を忠実に音として再生することで、CDでの音楽鑑賞もAVによる映画鑑賞も音の再生という基本的な仕事は全く同じです。ただし、5.1チャンネルシステムシアターの場合はその商品形態からホームシアター向きと言うことができます。また、ブラウン管を使ったテレビの近傍にスピーカーを設置する場合には色ムラ対策のため漏洩磁束対策済みのAV用スピーカーを用いてください。
〔 参考HP 〕
http://www.sony.jp/audio/component_theater/theater_Standard.html
http://panasonic.jp/theater/soundset/pf800/index.html
http://pioneer.jp/components/sp_sys/series3/index.html
http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/hifi/index.html - 車でもカーAVでサラウンドを楽しむことは可能ですか?
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自動車メーカーやカーAV機器メーカー、あるいはカー用品店では車内の音響空間の特性がよく研究されており、環境が厳しく限られた空間でもサラウンド再生ができる機器がそろっています。5.1サラウンドシステムやバーチャルサラウンド方式と車内の音響特性や座席位置を考慮した音場補正プロセッサーなどを組合せて魅力あるホームシアターが作れます。
- 今まで使っていたHDDレコーダーと新しく購入予定のホームシアターはつなげることができますか? ホームシアターでVHSを楽しむにはどうすればいいでしょう。
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できます。この場合ホームシアターに外部機器を接続するための端子があるかを確認して、HDDレコーダーと接続可能かを調べることが重要です。アナログ信号には白/赤/黄のRCA端子やS端子、D端子、デジタル信号にはHDMI 端子などを専用ケーブルで接続して楽しむことができます。
- 今までの普通のテレビと新しいテレビは何が違うのですか。また、今までのテレビもホームシアターにつなげることはできますか?
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主にブラウン管を搭載していた頃の従来型テレビと最近のテレビの大きな違いはデジタル放送の受信機能が加わったことです。デジタル放送はハイビジョン(HD)映像と呼ばれ、今までのアナログ放送にくらべて高精彩な映像を楽しめるのが特長です。ホームシアターにはどのタイプのテレビでも接続は可能ですが、従来型テレビではせっかくの高精細な映像もアナログ放送と同等の画質(SD)での鑑賞に限定されるので注意が必要です。
〔 参考HP 〕
http://www.sony.jp/bravia/chi-digi/index.html
http://panasonic.jp/viera/style/3dsimulation/index.html - ホームシアターセットはテレビにどうやってつなぐのでしょうか?
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ホームシアターセットには一般にブルーレイやDVDなどのプレーヤー部とアンプやスピーカーなど音の再生機能が含まれますから、あとはテレビ側で映像を見るための接続が必要になります。映像にはRCA端子やSビデオ端子を用いましたが、ハイビジョン時代の今は手軽なHDMI 端子による接続が主流です。
〔 参考HP 〕
http://www.sony.jp/home-theater/lineup/style/index.html
http://panasonic.jp/support/mpi/connectionnavi/ - どれくらい予算が必要ですか?
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総額いくらとはお答えにくいのですが、ブルーレイレコーダー、ホームシアター(AVアンプ、スピーカー)を購入の場合、それぞれ同価格になるくらいでバランスが取れると思います。