日本オーディオ協会賞

日本オーディオ協会賞

一般社団法人日本オーディオ協会では、1986年(昭和61年)の創立35周年を機に、次の選考基準により組織または個人に対し「日本オーディオ協会賞」を贈呈しています。

(日本オーディオ協会賞 選考基準)

  1. オーディオ・ビジュアル関連の技術開発と実用化により、業界の発展に貢献した日本或いは海外の組織または個人
  2. オーディオ・ビジュアル関連のシステムに関する標準化を行い、業界の発展に貢献した日本或いは海外の組織または個人
  3. オーディオ・ビジュアルに関する音響文化の発展に貢献した日本或いは海外の組織或いは個人

(日本オーディオ協会賞 表彰歴)

第1回 日本オーディオ協会賞(1986年)

林謙二殿(デジタルオーディオの研究開発と推進)
中島平太郎殿(デジタルオーディオの研究開発と実用化)
日本コロムビア株式会社ソフト技術本部殿(デジタル録音の実用化と推進)
フィリップス白熱電球製造株式会社殿、ソニー株式会社殿(CDの開発と実用化)

第2回 日本オーディオ協会賞(1991年)

パイオニア株式会社殿(レーザーディスク・システムの実用化と推進)
中島平太郎殿、岩下隆二殿、藤本正煕殿、小坂雅博殿(DATシステムの標準化)
高城重躬殿(音響文化への貢献)

第3回 日本オーディオ協会賞(1997年)

三研マイクロホン株式会社殿(マイクロフォンの技術開発と商品化の実績)
ソニー株式会社殿(MD方式の開発と実用化)
永田穂殿(ホール音響設計に関する実績)
田中正人氏と開発グループ殿(NT型デジタル音声記録方式の開発と実用化)
ドルビー研究所殿(ノイズリダクション・システムDolby“B”および“C”の普及)

第4回 日本オーディオ協会賞(2001年度)

山崎芳男殿(デジタル信号処理技術の開発研究)
宮坂栄一殿(次世代オーディオの調査研究)
ソニー株式会社殿(SACDの技術開発と商品化)
日本ビクター株式会社殿(DVDオーディオの規格策定と商品化)
原田勲殿(オーディオ界の育成および発展への貢献)
菅野沖彦殿(オーディオ文化の発展と向上への貢献)

第5回 日本オーディオ協会賞(2008年度)

大賀 典雄 氏(ソニー株式会社 相談役)
(音楽・オーディオ分野への貢献とCDの開発・実用化によりデジタル音楽文化を先導した功績)

阿部 美春 氏(元 ティアック株式会社)
(磁気録音技術の開発・標準化と、業務用パーソナルレコーディング機器開発と商品化における貢献)

守谷 健弘 氏(NTTコミュニケーション科学基礎研究所 守谷特別研究室長)
(オーディオ・ビジュアル分野で応用される音声符号化の開発と標準化における貢献)

浦野 丈治 氏(日本テレビ放送網(株)技術統括局 技術開発部 調査企画担当副部長)
(放送品質を考慮した日本のデジタル放送の音声方式規格化と実用化における貢献に対して)

フォスター電機株式会社
(音響機器を開発・商品化した功績とデジタル音楽プレーヤー分野の発展と普及への貢献)

<創立60周年記念 第6回日本オーディオ協会賞>(2012年度)

協会栄誉賞:「音響機器およびデジタルオーディオ分野の開発と実用化を先導し、オーディオ産業と文化の向上に貢献」
元日本オーディオ協会会長、ビフレステック株式会社 取締役会長 中島 平太郎殿

協会大賞:「残響制御技術 Revtrina の開発と実用化」
日本電信電話株式会社殿
NTTラーニングシステムズ株式会社殿
NTTエレクトロニクス株式会社殿

協会大賞:「デジタルテレビ放送におけるラウドネス運用規定の国内標準化」
一般社団法人電波産業会 スタジオ設備開発部会 スタジオ音声作業班殿

協会賞:「国内オーディオ文化の夢を創造」
アキュフェーズ株式会社 代表取締役社長 齋藤 重正殿

協会賞:「卓越した経営により新たなオーディオ市場の開拓」
株式会社オーディオテクニカ 代表取締役社長 松下 和雄殿

協会賞:「国内オーディオ市場の活性化」
ラックスマン株式会社 代表取締役社長 土井 和幸殿

協会賞:「若年層を含めた新たなオーディオ市場の開拓」
株式会社トライオード 代表取締役 山崎 順一殿

協会賞:「リスニングルーム設計研究と施工の実践活動」
石井オーディオ研究所 代表 石井 伸一郎殿

協会賞:「サラウンドサウンドにおける、スピーカー配置の検証と、国内ガイドラインの設定」
有限会社沢口音楽工房 代表 沢口 真生殿

感謝状:長年にわたり協会展示会への出展を行い、カーオーディオ市場の認知向上と拡大に努め、特にホームオーディオとの親和性に寄与
三菱電機株式会社 三田製作所殿
富士通テン株式会社殿
パイオニア販売株式会社殿

感謝状:オーディオの原点である自ら作る喜びを「イヤホン工作教室」として提案、具現化し新たなオーディオ若年層の拡大に努める
S’Next株式会社殿

<創立60周年記念 第6回日本オーディオ協会賞(功労賞・感謝状)>

功労賞:・協会副会長、並びに展示会実行委員長を歴任し、オーディオ文化の普及啓発に努めるために、協会のあり方、展示会運営方法等の改革を含め、協会運営に大きく貢献
西 國晴殿、平林 正稔殿、山本 喜則殿

功労賞:・理事もしくは理事代理、及び各委員会委員として理事会の命を受け、長年にわたり協会方針の具現化、及び活動の強化、円滑化に向け努力をし、協会運営に大きく貢献
倉持 誠一殿、森 芳久殿、渡邉 哲純殿

感謝状:・デジタルホームシアター普及委員会殿
国内に健全なホームシアター市場構築を目的に、国内初のガイドライン設定等に基づく認定技術者育成に向けたライセンス講座の開設を行う

感謝状:・録音機器・技術普及委員会殿
ライブ録音というオーディオの新たな楽しみ方を提案し、「ライブレコーディング体験会」を継続的に開催し、特にPCMレコーダーの市場拡大に大いに努める

感謝状:・音のサロン委員会殿
再生音楽の楽しさを「音のサロン」として提案、また「PCオーディオセミナー」の開設、定例コンサートの実現を図る

贈呈式は、2012年12月6日、東京・アジュール竹芝にて、創立60周年記念式典で行われました。

<日本オーディオ協会賞選考にあたって>

日本オーディオ協会は、今年創立60周年を迎えました。1952年(昭和27年)にソニー創業者の井深大氏の呼びかけのもとに、初代会長に中島健蔵氏を頂き設立され、同年12月には「第1回全日本オーディオフェア」を敢行しています。爾来、半世紀を超えますがまさに世界の主導的立場で活動してこれらたことは大いに誇って良いことと認識しています。現在、国内においてはデジタル化と小型化の波によって、オーディオ業界の低迷が語られますが、設立の精神と誇りは連綿と続いていることと、決して衰退しているわけではないことを、60周年を機に大いに発信したいと考えます。

“日本オーディオ協会賞”は1986年(創立35周年)のオーディオ絶頂期に制定され、「技術進化の早い電子機器において、5年毎にオーディオ技術の開発、及び実用化に大いに貢献した個人、または組織の顕彰を行う」と謳っています。さらに10年ごとに行う“功績・功労賞”とは分けて行うとしています。

今年は60周年として同時に顕彰することになりました。昨年総会にて承認された60周年記念事業プロジェクトと並行的に初期情報収集に努め、9月に“60周年表彰委員会”(7名の表彰委員で構成)を設置し、賞のあり方、選考基準、選考等の審議を慎重に行いました。具体案は持ち回り理事会に諮られ、本日ここに発表する運びになりました。

今回の表彰について、第一に<賞のあり方>が現状に即しているか、技術は勿論のこと、業界貢献全体に対して、また<選考基準>として企業経営そのものの評価等も審議し、結果として業界全体への功績を俯瞰する“協会賞”と協会組織内への貢献功労に対する“功労賞”を明確化しました。また特例として“協会栄誉賞”の設置を決定しました。これにより、少しでも国内オーディオ業界発展に向けたご関係者の一心に報いることが出来れば、表彰委員会一同幸甚の極みであります。