作品のコンセプトと、どのように考えたのかを聞かせてください。
コンセプト:無響室と残響室を使ってMIXし響の違いや効果を調べる
曲のコンセプト:退廃的な世界での悲劇を表現
無響室と残響室で録音したViolinを曲の構成によって使い分け、違いを明確にさせました。
無響室の音そのもののクリアで素朴な切ない音と、残響室の壮大な余韻を強調しました。
制作のアイディアが⽣まれたきっかけなどがありましたら聞かせてください。
例えば
・不思議に思っていたことを追及していったら、ひらめいた
・他人のやっているのを見て、自分ならこうしようと思った
・チームでめちゃくちゃ意見を出し合った などなど
授業内で紹介された無響室に元々興味があり、好奇心から調べ始め、残響室も使って響きに注目して対比しMIXをしたら面白いと思ったからです。
制作する際に、苦労した点、うまく表現できた点、⼯夫した点などを教えてください。
MIXの際、残響室音源のみではオケとの馴染みが悪く、浮いてしまいました。そこでアタック成分として無響室音源を持ってくることで聞き馴染みが良くなりました。
さらに楽曲のリズム感を出すためにリズム隊のアタック感を強調し、空いてしまったところを低域で埋めるなど迫力のあるMIXを心がけました。
また、実験的な MIXを意図しているため、ヴァイオリンとスネアには リバーブプラグインを使用していません。
作品の聴き所、アピールポイントを教えてください。
無響室で始まって無響室で終わるところです。無響室の音そのものの静けさと切なさを残しました。また、Intro終わりの楽器が増えるところで、各々のPANを思いっきり振り素朴な部分とのメリハリをつける努力をしました。
コンテストに応募してみようと思った理由を聞かせてください。
このコンテストの機会を使って、やったことのない楽器の録音とMIXをしてみたい、好奇心を突き詰め、一つの作品を作りたいと思ったから。
受賞時の感想を聞かせてください。
とても光栄です。曲を提供してくれたクラスメイト、演奏をしてくださった方、指導してアドバイスを何度もくださった先生、無響室と残響室を貸してくださった小野測器さんのおかげで、とても楽しく制作ができ素晴らしい賞をいただくことができ感謝の気持ちでいっぱいです。
制作前、制作中のエピソードについて聞かせて下さい。
無響室は全方位にとても分厚い吸音材が使用されていて、床も吸音材から離れたところにピアノ線が張られてありました、私たちはそのピアノ線の上に立って搬入と移動をするので、常に恐怖でいっぱいという貴重な体験ができました。マイクのスタンドが何度もズレて穴に入ってしまうので、バランスをとってテープで固定するなど試行錯誤するのも楽しかったです。
参加してみてよかったと思うことを聞かせてください。
例えば
・コンテストに挑戦して得たものがある
・コンテストに挑戦したことで体験できたこと
・その後の生活に影響を与えたこと
・その他なんでも
コンテストのおかげで普段なかなか行けない無響室と残響室を貸していただける機会ができ、とても貴重な体験ができました。
他の学校の学生作品を聴いて、録音方法やMIXの仕方や企画力がとても刺激になり、もっとサラウンドを使ったMIXもしてみたいと好奇心や向上心がとても高まりました。
⾳楽制作を経験して、その後、⾳楽作品の鑑賞の仕⽅がどのように変わりましたか?!
録音方法や制作過程に興味が湧いてアーティストのインタビュー記事をよく読むようになったり、楽器の響きにより注目するようになったりしました。
現役学⽣へコンテスト参加へのメッセージ・アドバイスをお願いします!
今しか出来ない事や好奇心を突き詰めて、柔軟な発想で制作を楽しんでください!