作品のコンセプトは?思いついたきっかけは?
サラウンド録音の新しい可能性について研究しました。アコースティック録音でのサラウンド録音はサラウンドスピーカーにリバーブやルームマイクを配置するのが一般的ですが、それ以外の可能性を模索しようと考えました。
無指向性のマイクを使ったサラウンドアレイを設置し、それを取り囲む様に楽器を配置して録音しました。
2L Morten Lindeberg氏による講習にインスパイアされ制作したサラウンドのレコーディングです。
サラウンドレコーディングの新しい可能性について模索、研究し、新しいサラウンドミックスを実現したいと考えました。
制作時苦労した点・表現できた点・工夫した点は?
無指向性のマイクの中のドラムの音像はどうしても広くなり過ぎてしまい、その調整に苦労しました。
またアップライトベースの配置に苦慮し、結果サラウンドアレイのみでは音量、音質が足りませんでした。アップライトベースを台にのせるなど、マイクロフォンアレイに近づける必要があったと思います。
ただの空気の振動ではなく音楽空間に包まれるような感覚を実現したいと考えました。あまりリバーブラントな音だと音楽空間に包まれるというコンセプトと乖離するため、舞台上の楽器を取り囲むように吸音材を設置しました。
作品の聴き所・アピールポイントは?
サラウンドにおいてのスイートスポットで音像を楽しんでいただきたいです。またスピーカーに近づいて一つ一つの音を聴いて見るとまた違った側面が見えてくると思います。