作品のコンセプトは?思いついたきっかけは?
ReBirthは言葉の通り「再生」がテーマです。冷たい冬を超えて蕾が芽吹いて花開くような、澱んだ水が綺麗に浄化されるようなイメージで作りました。
最初にふっと思い浮かんだのがイントロのリバースピアノの部分でした。そこからFX系の音源も取り入れつつ、生の演奏だけではできないようなことをしたい、と考えて曲を広げていきました。
制作時苦労した点・表現できた点・工夫した点は?
ピアノと弦楽四重奏という編成で生演奏を録音させていただきましたが、演奏者の方々と直接コミュニケーションを取る機会がほぼ初めてだったため、勝手が分からず緊張しました。
演奏者の方々が私の拙い表現から意図を汲んでくださったこと、また録音の先生のサポートもあり、とても満足のいく作品になりました。
水流のような勢いと、枝葉が伸びるようなのびやかさの両方を音楽で表現できたのではないかと思います。
作品の聴き所・アピールポイントは?
個人的には曲の展開に応じた転調の仕方が気に入っています。中盤は「澱み」のイメージなので重苦しく停滞するような進行、終盤には浄化され光に向かって伸びていくような上昇する進行、と構成を考えながら作りました。
受賞の感想をお願いします!
私はずっと作曲をメインに勉強していたので、音楽賞という形で音楽性を評価して頂けたのがとても嬉しかったです。
参加のきっかけは?
大学の先生から「こういうコンテストがあるんだけど、応募してみない?」と紹介されたのがきっかけです。それまで学外で作品を発表する機会があまり無かったため、興味を持って応募しました。
制作時のエピソードはありますか?
この曲が思い浮かんだのは、就職活動含め色々なことが重なって、自分の進路について悲喜交々な思いを巡らせていた時期でした。ゴチャゴチャした気持ちを綺麗に洗い流して希望のある道へ進みたい、という思いも込められている気がします。
参加してみて良かったことは?
学外における公の場で自分の作品を認めて頂けたことが大きな自信につながり、現在でも心の支えの1つとなっています。就職活動時のアピールポイントにもなりました。
また受賞を受けて、周囲のお世話になった方々にとても喜んでいただけました。
音楽制作をしてみて、音楽の聴き方は変わりましたか?
「作る側」の目線を得られたことが最も大きいです。作曲や演奏、録音やMIXの過程にも思いを馳せ、「これは凄い!」「大変だっただろうな…」など、制作を経験する前には生じなかった感想が出てきます。
「同じ題材を与えられた時、自分だったらどう作るかな?」とワクワクしながら聴くこともできるようになりました。
現役学生へコンテスト参加へのメッセージ・アドバイスをお願いします!
今いる環境から一歩外へ出て、自分の作品がどのような評価を受けるかを確かめるのはとても大事なことだと思います。当時の私の場合ほぼ学内での閉じた活動に終始していたため、コンテストへの参加はそこから抜け出す良いきっかけになったと思っています。
出したい作品があり、応募するかどうか迷っているのであれば、間違いなく出した方が良いです。
第1回目ということで、コンテスト発足の経緯から受賞作作品へのコメント、当時の表彰式の様子などが掲載されています。合わせてご覧ください。
JASジャーナル
2015年1月号(Vol.55 No.1)
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