作品のコンセプトは?思いついたきっかけは?
コンセプトは「音によって現れる空間と変化」です。
3Dオーディオの作品を作ってみよう、ということのみ最初に決めて、その後アイデアを出し、作品構成をどうするかなどを決めて、制作を行いました。現実的なフィールドレコーディングの素材を使うことやグリッチやノイズなどを使用することもこの段階で考えました。
3Dオーディオの特性を考えた時に最初に思いついたことが空間を表現しやすいということでした。そこから様々な空間を一つの作品の中で横断できるような作品にしたい、とアイデアが出てきました。ミュージックコンクレートやノイズミュージックの流れを汲むことで、コンセプトを上手く表現できると考えて制作を行いました。
制作時苦労した点・表現できた点・工夫した点は?
苦労した点は比較的狭い空間の表現が難しかったことです。制作していたスタジオが比較的大きかったこともあり、どのくらいの音量で再生するかなども選択が難しかったポイントです。反対に、様々な空間を横断するときのそれぞれの繋がりであったり、作品としての統一感などのバランスなどは上手く表現できたと感じました。
工夫した点としては今回の作品は22.2chのフォーマットをしていますが、基本的にはアンビソニックスでの制作を行った点です。フィールドレコーディングなどの素材はアンビソニックスで収録を行い、空間をしっかり感じて貰えるようにミキシングを行いました。
作品の聴き所・アピールポイントは?
リアリティのある空間もノイズなどのカオスな音場も両方ともにステレオなどの通常の再生では表現しきれない面白いものになっていると思います。作品の中でどんな空間が表現されているのかを感じてもらいながら聴いて貰いたいです。