第3回目の音の匠選考では「水」をキーワードに各方面からの「音の匠」の候補を考察しました。今回はわが国で初めてグラスハープを製作した佐々木硝子株式会社様および、グラスハープの誕生に際して各種のアドバイスと普及を行った演奏家の高橋 美智子様を「音の匠」として顕彰いたしました。
佐々木硝子株式会社様
ガラスメーカーとして知られる同社は、クリスタルガラスによる各種の楽器開発に意欲的で、グラスハープの魅力を伝えるべく、熱心に開発をしたのが幼いときからの無類の音楽好きでもあった 佐々木信次氏を始めとする佐々木硝子陣営。音階は水を入れて決めるのではなく、グラスの大きさと底部を削る独自の手法で調整し、永年の経験を積んだ名人たちが1年をかけて製作した。鉛を含有するクリスタルガラスが使われ、形状としてはチューリップ型のいわゆるブランデーグラス状のもので、奏法は指先を水で湿らせて行う。
高橋 美智子(たかはし みちこ)様
マリンバ奏者。東京芸術大学を卒業後1973年オランダ・ガウデアムス国際現代音楽コンクールで日本人としてはじめて第一位を獲得し、同時に国際現代音楽賞を受賞。1981年の佐々木信次氏との出会いから、日本人初のグラスハープ奏者として演奏法を開拓し CD「クリスタル・グラスハープ」で高い評価を得る。キングレコードから「グラスハープモーツァルト(KICC-118)」をリリースしているほか、新しいものでは「鳥の歌(ソニーミュージックSRCR1765)」でもグラスハープおよびマリンバの音と演奏を聴くことができる。