音の匠

第19回 2014年音の匠

森阪 匡通様
(東海大学創造科学技術研究機構・特任講師)

顕彰内容

音とイルカの研究


1m長のクモの糸束

人間の可聴帯を遥かに超えるイルカの鳴音を収集分析し、生息域によるイルカの鳴き音の違い、鳴き音によるコミュニケーション方法など、数々の発見をされ、多くの論文を発表されました。
我々人間にも通ずるコミュニケーションのあり方など、 音を起因とした多角的な視点から様々な洞察を深められた研究は、未来の音の世界を拓くものとして評価されました。

JASジャーナル

「音の世界に生きるイルカ ~彼らは何をかたりあっているか~」
イルカの生態や鳴音の種類やその周波数について、理由や地域差についてお話していただきました。またイルカのコミュニケーションを通じて私たち人間のコミュニケーションのあり方について寄稿していただきました。


JASジャーナル
2015年1月号(Vol.55 No.1)
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プロフィール

森阪 匡通(もりさか ただみち)様
1976年 大阪府生まれ
2010年~
2013年
京都大学野生動物研究センター 特定助教
2013年10月~ 東海大学創造科学技術研究機構 特任講師

業績概要

  • イルカの音に地域差があることを発見。地域によって海中の雑音のレベルが異なり、それがイルカの音の地域差を生み出しているのではないかと結論づけた(2005年)
  • イルカの一部のグループでコミュニケーションの音を失っていることを見いだし、捕食者であるシャチに聞かれないようにするための戦略だったことを明らかにした(2007年)
  • コシャチイルカ、シロイルカといった、これまであまり研究がなされてこなかった「珍しい」イルカのコミュニケーションを研究し、イルカの音の進化をたどっている