Vol.21 大地震を経験して
その朝、いつも通っている銀座でふと上を見上げ、地震が起こったらガラスは大丈夫かなと、いつにない事を考えました。
帰りの新幹線が急ブレーキで停車。外を見ると右手に大きな富士山が深々と雪を被っていました。すぐに停電となり、暫くすると東北で大地震があったことが伝えられました。
30分程度して新幹線が大きく揺れ一瞬車内も騒然となりました。あれが茨城の地震だったんですね。東京の情報もほとんど無く、在京のサラウンド委員へ安否メールを打っても返ってきません。大阪の会社に連絡し、事の重大さを認識した次第です。
小一時間すると電気が回復し、地震から約3時間後そろりそろりと車両が動き始め、かなり遅れて混乱する京都駅に着きました。
16年前、阪神大震災で傾斜したビル群を避け、倒壊した家屋を乗り越えながら、数日分の着替えをリュックに押し込み復旧支援に参加しました。その惨状の中を歩き、地面に屋根だけを残した神社を見たときには、「絶対元には戻れない」と確信しました。しかし、世界中の皆さんの協力をいただきながら、その後の復興を目の当たりにし、人間って、日本人って凄いと感動したことを覚えています。
まだまだ落ち着くまでには時間がかかるとは思います。また、津波、原発と条件は違いますが阪神の前例があります。必ず復興する!と信じ未来に向かって一緒に一歩ずつ進んで行きましょう。