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Vol.23 高級スピーカーのフローティングボードの効用

東北地方太平洋沖地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。3月11日の地震が発生したときには川崎のオフィスにいました。最初小さかったゆれは立っていられないほどになり、かなり長く感じました。幸いなことにフロアーでは、棚のものが落ちたくらいで大した被害はなかったのですが、一番心配だったのが試聴室の設備でした。実は少し前からメインのモニタースピーカーを、実験的にフローティングボード上に設置してあったのです。100kgを越える重量のスピーカーが吊り構造のボードに載っており、触っただけで「ゆらゆら」と不安定にゆれます。このモニタースピーカーが無残にも転がっているシーンを想像しながら試聴室に向かいました。

3重の防音ドアを開けてみると、なんと無事ではありませんか。壁側に置いてあった小口径のトールボーイ型スピーカーが全て転倒している中で、何事もなかったように立っていました。どうやらフローティングボードが免震台の役割を果たしたようです。その後、何度かおきた大きな余震でも、ゆらゆらゆれてはいましたが、ひっくり返ったり、ずり落ちたりすることはありませんでした。まあ結果オーライだったわけですが、音質最優先のセッティングに加えて、地震対策も考慮しなければならないと思った次第でした。

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